やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

柳宗悦の古人形

2011-03-06 | art
日本民藝館に久しぶりに行く。
何年ぶりだろう。駒場東大前から
歩いていくと梅の花が前庭で迎えてくれる。



日本民藝館は江戸時代の郷土人形を
140体所有していて、数年毎に
公開してきている様だ。

上層階級用は上手人形とよばれ、
民衆向きが郷土人形。雛人形は
その代表例だが、地域ごとに
特色ある人形が作られてきた。

その中で、三春人形(福島)、
鴻巣(埼玉)、堤(宮城)、相良(山形)
といった東日本の郷土人形から
柳宗悦は選定している。



なかでも気に行ったのは、三春人形。
今回のポスター表紙にもなっている
のはええなぁ。

腕が体と一体化している抽象性、
腹の出具合、顔の感じ、そして
化粧まわしがまたいい。

他は土人形だけど、三春人形は
木型に紙を貼っていく張り子だ。
その分フォルムが自由なのかもしれない。



機関誌『民藝』(この1月号で697号!)には
柳宗悦の人形論「人形と人間」が掲載されている。

「あり余るほどの人間がいるのに・・どうして
人形が要るのであろうか。」

「人形のいない土地に人間は住みにくい・・
人間は憎みを知らない世界を夢みる。」

「昔のものが際だって美しいのは、
魂が活々と入れてあるからである。
人形を見れば、姿を見るというより、
むしろ見えない活きたものを感ずるではないか。」



大事に飾られ使われてきた人形たち。
すり減ったり、飾りの一部がなくなっている
古人形たちをみていると、どんなに
大事にされてきたかと思いをはせる。

特別展「日本の古人形」は3/19まで。
素敵なチラシがPDFで。