持続可能な国づくりを考える会

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中国の新聞

2011年09月04日 | 社会問題
運営委員の森中です.

昨日台風のなか,興味深い講演を聴きました.
主な内容は,7月23日に起きた中国の高速鉄道の衝突事故の報道についてでしたが,国(党)から非常に強い規制がかかったとき,皆さんは,中国の報道はどうなると思いますか.逆らえば命にも関わる厳しい統制です.

例えば1面,2面とでかでかとその記事を組んでいた.急にそれを記事にすることが不可能になった.
このとき中国の新聞はどうするか.

別の記事に差し替えることもありますが,なんと空白でそのまま出します.「天窓を開ける」というのだそうですが,ここに本来何が書かれるか,読者自身が想像しろというのです.空白のまま,まさに天窓ですが,日本では考えられませんね.
これが基本で,ひねったアドリブもたくさんあります.
例えば現地に来て,供花を前に深い祈りを捧げた温家宝首相の写真とD301, D3115(衝突した列車の番号)と,ほとんどが空白の真ん中に小さく入れてある.これは,記事の文章がなくこれだけでは何か分からないので(建前では)記事ではありません.この写真から想像しろと読者に迫るのです.
これでは,当局は通達に背いた訳ではないので,記者,新聞社を罰することができません.新聞社は当局と頭脳プレーで戦い,同時に読者(国民)ともやはり頭脳プレーを行います.政府もこれは一本取られたと感じると,敵ながらあっぱれ,それ以上陰湿なことはしないようです.何という強さ,したたかさ,そして生き生きとした躍動感でしょうか.ツィッターの代わりの微博(ウェイボー)があるので,事実は既に皆薄々知っているという前提があるからできるのですが,この話を聴いて,日本人,日本のメディア,政治家,総てに,この強さ,したたかさ,そして頭を使うこと,これが欠けていると,私は感じました.

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