石雲寺のコウヤマキから人生訓を学んだ私は、その足で岩手でも有数の大きさを誇る「サイカチ」を目指した。
別名カワラフジノキとも呼ばれるこの木は確かに藤の木の葉によく似ている。
私自身、サイカチの巨木にお目にかかるのは初めてである。
未知なる巨木に胸を馳せながら車を走らせる。
目的地に近くなった頃、ナビが喋った。
「あと100先を左です」
「ここを左です」
無機質な口調でナビが私に繰り返す。
しかし、見る限り農作業用の為に作られた様な農道があるだけ…
(ここは無理だろ)
どう見ても「曲がれないあぜ道」をナビに逆らって通り過ぎた私を余所に、ナビの方は平然とリルートを開始したみたいだ。
そしてナビが出した結論は・・・・
どうやらUターンをさせる様子。
とりあえず、土地勘がある訳でも無い私はナビに従い、見渡す限り田んぼが広がるその道路でUターンをした。
さっきの「曲がれないあぜ道」を通過する寸前でナビが喋った。
「ここを右です」
壊そうかと思った…
普段は温和で柔和な私だが。
かなりイラっときた私は、相手が機械と知りながらも苛立ち気味な口調でタイトルの言葉を浴びせてみたのである。
「だからあぜ道だってば!」
相手は機械だと分かってはいるが少しスカッとした。
しかしナビは考えを改める様子はない・・
やめれば良いものを、業腹となった私は、その「曲がれないあぜ道」を強引に曲がった。
続く
別名カワラフジノキとも呼ばれるこの木は確かに藤の木の葉によく似ている。
私自身、サイカチの巨木にお目にかかるのは初めてである。
未知なる巨木に胸を馳せながら車を走らせる。
目的地に近くなった頃、ナビが喋った。
「あと100先を左です」
「ここを左です」
無機質な口調でナビが私に繰り返す。
しかし、見る限り農作業用の為に作られた様な農道があるだけ…
(ここは無理だろ)
どう見ても「曲がれないあぜ道」をナビに逆らって通り過ぎた私を余所に、ナビの方は平然とリルートを開始したみたいだ。
そしてナビが出した結論は・・・・
どうやらUターンをさせる様子。
とりあえず、土地勘がある訳でも無い私はナビに従い、見渡す限り田んぼが広がるその道路でUターンをした。
さっきの「曲がれないあぜ道」を通過する寸前でナビが喋った。
「ここを右です」
壊そうかと思った…
普段は温和で柔和な私だが。
かなりイラっときた私は、相手が機械と知りながらも苛立ち気味な口調でタイトルの言葉を浴びせてみたのである。
「だからあぜ道だってば!」
相手は機械だと分かってはいるが少しスカッとした。
しかしナビは考えを改める様子はない・・
やめれば良いものを、業腹となった私は、その「曲がれないあぜ道」を強引に曲がった。
続く