おばあちゃんは、毛が生えたようなお米を、ボールの中でポロポロにほぐしています。
そして、白いご飯を混ぜました。
楽しそうに何か、作っています。
大きめのボールに入ったそれは、毛布にくるまれて、コタツの中に入れられました。
「ちいチャン、足に気をつけてね。」
と、おばあちゃんが言います。
コタツに入ると、そのボールは足先にツンと触れて、ちいチャンは、そろ~りと足を横にずらします。
出来上がったボールの中身は、どろっとした白い液体と、お米のつぶつぶが、混じっているものでした。
甘いょうな、すっぱいような、臭いような、変な臭いがします。
「ちいチャン、飲んでみるかい。」
そう言って、おばあちゃんは、おちょこに少しくれました。
唇をちょんとつけて、ちょろっとなめてみました。
甘いけれど、変な味です。
「おばあちゃん、これ、いらない。」
ちいチャンは、おちょこをおばあちゃんに返しました。
おばあちゃんは笑いながら、
「これはね、甘酒というんだよ。」
と、言いました。