ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(30)『(輪まわし)自転車のタイヤ』

2019年08月28日 19時11分29秒 | 日記
すり切れて古くなった自転車のタイヤは、子供たちの遊びの道具です。
まずは、タイヤで遊ぶ道具を作ります。
手に握れるほどの太さの竹に、ナタで縦に切り込みを入れ、タイヤの太さ
より少し長めの小さい竹をはさみ込みます。
アルファベットのYの字に、横線が入ったような形になります。
そうしたら、切り込みが広がらないように、根本をビニールテープでクル
クルっと巻いて止めます。
道具は、これで出来上がりです。長さは1メートル位です。
自転車のタイヤを立てて、地面近くに斜めに棒を差し込み、コロコロと転
がします。
これは、なかなか難しく、タイヤは真っ直ぐには転がってくれません。
本体から外されたタイヤは、中が空洞なので、右に左に蛇カーブして、倒れ
てしまったりします。
ちいチャンの海辺の町は、車があまり通らず、防波堤にそって道路も真っ
直ぐでなの、子供たちは道路で、このタイヤ転がしを競います。
地面に線を引き、よ~いどん!で走りはじめ、道路に置いた目印の空き缶
をぐるっとまわって、Uターンをして折り返し、もとの場所に早くたどり着
いた子が勝ちです。
ちいチャンは、すり切れた自転車のタイヤを持っていないので、この遊び
はいつも見ているだけでした。
ちいチャンは、ちょっとだけ貸してもらった事がありましたが、転がす前
にタイヤは倒れてしまいます。
うまくタイヤが立って転がっても、タイヤだけが先に行ってしまい、ちい
チャンは竹の棒を持って追いかける事になります。
この遊びは、ほとんどが男の子で、タイヤを自由自在にあやつります。
男の子たちは、まるで曲芸師のようです。
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