静かだ免許貯金メダカ寿司
寿司代か眼下蜜柑が買い出しす
お猿が賛嘆分旦下がる竿
頭脳らワンタン分旦笑うの図
回文を作っていると(あ、ここポイント。わざわざ作ってると)とんでもないというか、無茶苦茶、絵に書いたような病気句がじゃんじゃんできる時がある。こういう時でもめげずに、明けない夜はない、空かない腹はないと、悪食を繰り返す。そ~のうちなんとか、な~るだぁろ~ぉ~♪と教わって育ったためか、掲句のような病院送りの子たちもやはり可愛いのである。それぞれ解説するのもおぞましいが、マジに向き合ってみようかね。飽きたらやめるってことで。
「メダカ」句。これってたぶんメダカが季語なんだろうね。そっからどういうわけだか、裏町の裏ぶれた「メダカ寿司」の物語になっていく。客も来ないから金もない。それでもしおらしく免許を取るために貯金をして、こっそり通帳を開いては眺める親父‥‥って、まさか調理士免許じゃねえだろうな。
「寿司」句。そんな寿司屋にも買い出しの客が来ることがある。ただし、どうも金は持ってないみたいだ。蜜柑を下げての物々交換。一人前何個で交渉するつもりだろう。それを高いところから冷ややかに見てるヤツがいる。
「お猿」句。お猿は非常に感心して褒め讃えるのです。何を?旨そうな分旦が竿の先につけてある。これはオイラを捕まえようとする人間どもの策略か?そのサル知恵に思わず拍手をして笑ってしまう。
「ワンタン」句。もう脳みその皺が伸びてしまってワンタン状態ですわ。こうなると分旦としても笑うしかないわけで。ますますとろとろになっていく‥‥けけ。
句会で出したら、どんな解釈されるんだろ。おバカ句、まぬけ句、いろいろありますが、こういったとろとろに脳が溶けていく病気句も、ま、それなりに味はありますか‥‥。
で、実はこういうタイプってかなり多い。そうとう大きな病院じゃないと収容しきれんかもしれんな。