Good News Celebration!

☆田中啓介牧師による礼拝メッセージをお届けしています。

タイタニック号の奇跡 (フィリピ 1:3-11)

2008年10月19日 | Celebration
 タイタニック号。20世紀初頭、当時最新鋭の技術を駆使して造られ、不沈を謳ったこの豪華客船は、世界中が注目する処女航海の出港4日目、何処の港にも着くことなく、1500名以上の人々と共に北極海の冷たい海底へと沈んで行った。この史上最悪の海難事故は、事件から100年近く経った今も、映画や小説でドラマティックに描かれている。しかし、あなたは自分が沈みゆくタイタニック号の船上にいるということを考えたことがあるだろうか? タイタニック号は、私たちにとって決して他人事ではない。それは、沈没間近の危機にある『地球号』に乗る私たち人類への警鐘に他ならない。

 当時世界最大を誇ったタイタニック号には、何でもあった。様々な食物・飲物、エンターテイメントの数々、快適な居住空間、語り合う仲間も傅くスタッフも。出港から毎夜、宴が催され、乗客たちは楽しく愉快にその「作られた空間」を満喫していた。氷山にぶつかって船体に穴が開き、沈没が始まり出したその後ですら・・・。それはまさに、エネルギー枯渇、食糧難、環境破壊、オゾン層破壊、蔓延する疫病、温暖化等々、数え切れない問題が襲い掛かり、既に傾きつつある『地球号』と、その上に未だ安住している人間の姿に重なっている。

 沈没迫るタイタニック号の船上にも様々な人がいた。「ただ状況に呑み込まれて右往左往している人々」、「他人を押しのけて自分が助かろうと必死な人」、「状況に身を委ね、静かに死を待っていた人」、そして、「自分を犠牲にして必死で他人を助けようとした人」。このような極限状況下において、人間の意志の力はほぼ働かない。顕在意識は潜在意識に勝つことが出来ないからだ。人は普段から心に描いているもの、信じているものによってその行動が決定される。自分の心の中心に根付いていないものは、結局長続きすることなく、このような人の生死に関わる状況下では、その人の本音、つまりその人がいつも心の中心に置いていたものが行動となるのである。

あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、わたしは確信しています。

 パウロがこの手紙を書いた時もまた極限状態だった。獄に囚われ、明日の命をも知れない中、彼はこの確信を告げている。人生を終えるその時まで、私たちの力ではなく、キリスト・イエスによって私たちの内に授けられた聖霊の力によって、御旨は確実に成されるのだ、と。

 そしてこの御言葉は、タイタニック号の上で成就した。恐れ怯える人々を落ち着かせるために、最後の最後まで、賛美歌を奏で続けた楽団員の人たち。そして、2歳の娘を救命ボートに送り、自分は一人船に残って、「イエス・キリストを信じなさい、そうすればあなたは救われる!」と、沈み行く船上で、逃げ惑う人々に向かって叫び続けていた39歳のイギリス人牧師、ジョン・ハーパー師。最後に彼は自分の救命具を他人に譲り、「私のことは心配するな。私は海に沈んで行くが、その後は天に挙げられるのだから!」と、キリストによる救いと自ら赴こうとしている天国への希望を語りあげたのだった。

 この世の人生は高々70-80年。永遠に比べれば、一瞬に等しい。限りあるこの世に生きている私たち人間はいずれは死ぬ。遅かれ早かれ、私たちが乗つている地球号も沈む。終りの時には、財も功も名誉も、どんな巨富もまた肉体ですら意味を失う。ありとあらゆるものが備えられていたタイタニック号上の諸々の装飾品が無益だったように。限りある目に見えるもののために生きることがいかほどのことだろう!? 大切なのは、「生きる」ことではない。「生きる姿勢」なのだ。私たちの心の真ん中にしっかり「イエス・キリスト」を置くことこそが、私たちの人生に対する姿勢を決定付け、永遠の命への確信へと繋がるのである。(睦美)

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