よねの備忘録

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政治を語るときは、ネトウヨです。

ボールの問題 その3。よねの杞憂。

2007-03-28 13:26:45 | どたばた
Dさん、解答ありがとう!

もともとはこうでした。

【「思考力」。

子供に次のような簡単な問題を出して解答させてみる。

「カゴに三種類の色のボールが、17個入っている。
赤、黄、青の三色で、赤のボールは青より4個多く、
黄色のボールは、青よりも2個少ない。
では、それぞれの色のボールはいくつずつあるか答えてごらん?」

非常にシンプルな問題だけど、思考力を試せる。
鉛筆や紙を使わず、30秒以内にこれぐらいの問題を
解けないのでは、話にならない。】

そして
【青を基準にして、4個多くて2個少ないんだから
17-4+2=15個
15個÷3=5個で青の数が出るらしいです(^^;)
>近所の小学生によると】

これは素晴らしい答えです。
彼らは『X』の概念をもっているのですから。

ここで話が終われば、いいのです。

この問題が、「中学受験」の問題としたら、
方程式が使えないのでやっかいです。

Dさんから寄せられた解答案

(1)かごから赤のボールを4個取る。→赤が4個外。
(2)かごから赤と青のボールをそれぞれ2個ずつ取る。
  →赤が4個+2個で6個外、青が2個外で、合計8個外。
(3)かごから赤、青、黄色のボールをそれぞれ一個ずつ取り出す。
  →8個+3個で11個外。
(4)かごから赤、青、黄色のボールをそれぞれ一個ずつ取り出す。
  →11個+3個で14個外。
(5)かごから赤、青、黄色のボールをそれぞれ一個ずつ取り出す。
  →14個+3個で17個外。
(6)3種類のボールをそれぞれ1つずつ取り出して全部のボールを
 取り出すのに3回繰り返したから、一番少ない黄色のボールは3個。
(7)青は黄色より2個多いから3個+2個で5個
(8)赤は青より4個多いから5個+4個で9個

よねより、試験では高い点数がつくでしょう。

ここで注目して頂きたいのは、以下の2つの概念です。
1.『取りうる値の最大・最小』
2.『数列』

まず
(1)かごから赤のボールを4個取る。→赤が4個外。

問題文『赤のボールは青より4個多く』から赤の最小値が4。
『最大・最小』の概念です。

例えば、黄色のボールの最大値、最小値を考えます。

黄色いボールがあるから、最小値は1。

黄色いボールは一番すくない。
ボールは全部で17個。
17割る3=5(余り2)。
以上より黄色いボールの最大値が5であることが分かります。

次に
(3)かごから赤、青、黄色のボールをそれぞれ一個ずつ取り出す。
  →8個+3個で11個外。

カゴのボールをそれぞれ1個づつ取り出すと、
外のボールが3個ずつ増える。

これは『数列』の概念です。

さて、よねの解答ですが、

黄色のボールは少なくとも1個以上は存在する。
黄色のボールが1個の場合、青色のボールは3個、
赤色のボールは7個で、全部で11個となる。
黄色のボールが1個増えると、全体は3個増加する。
ボールの全体の個数は17個である。
17-11=6。6割る3=2。
以上の関係より、黄色のボールが1個の場合より、
2個増加した場合に全体が17個となる。
ゆえに、黄色のボールは3個。青色のボールは5個。
赤色のボールは9個。

これは『数列』も意識してますが、
高校数学の代表的概念を意識しています。

『あるnで条件Aが生じると、n+1でムニャムニャ。
 n=1の時、ゴニョゴニョ。』(うまく表現できない、ゴメン)

数列、漸化式、数学的帰納法、行列などで使われる『概念』

この場合は「数列」の問題ですから、
黄色のボールの個数をnとすると、
n+1個のとき、全体のボールの個数は3個増える。
n=1のとき、全体のボールは11個。
では全体のボールは17個のとき、nの値は。

こう解釈したのです。

このような問題を解き続けて『概念』=『数学の論理』が、
意識されるのかどうか、それが問題だと思います。

Dさんのところの小学生は「X」という『概念』を意識したので
素晴らしい。


【ここから、よねの杞憂がはじまります。】

この問題を手っ取り早く、教えるには
「黄色のボールが一番少ないよね。
 黄色のボールが1個のときは全部で何個になる。
 黄色のボールが2個のときは全部で何個になる。
こうやって数えてごらん。」

さらに、
「こういう問題は一番小さな数のボールに注目すれば
 解けるんだよ。」

このように「解法パターン」を覚えさせて、『概念=論理』を
意識させない方向性になっていやしないか、と。

もし、この想像が正しければ、『悪夢の循環』が生じます。

「中学受験」にそなえ、学習塾はたくさんの解法パターンを
覚えさせます。
「中学」側は、さらにバラエティーに富んだ問題を作成します。
「塾」  側は、さらにたくさんの解法パターンを覚えさせます。

そんなにたくさんの「解法パターン」を「詰め込まれた」小学生は
頭脳が破壊されてしまわないのでしょうか。

なんか『出口の何とか』でみたような・・・・

「よねの杞憂」であると信じたいです。







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3 コメント

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(^^;ゞぽりぽり (duca-me)
2007-03-28 14:59:44
恥ずかしいやら照れくさいやら(^^;)>お礼を言われると
何せ幼稚な回答でしたから(爆)
返信する
面白いですね! (midstream)
2007-03-28 15:13:54
皆さん考え方がそれぞれ違うのが面白いですね。
「Dさんの近所の小学生」さんと似ていますが、私の場合、こんなふうに読み替えて考えるとわかりやすくなりました。
(「国語」の問題にも近かったかも…)

黄色のボールは、青よりも2個少ない
↓(変換)
青は黄より2個多い(アタリマエ^^;)

赤のボールは青より4個多い
↓(変換)
赤は黄より2個+4個多い。

つまり、青から2個、赤から6個とりのぞけば、黄の個数と揃う。
17―2―6=9
9÷3=3(←黄の個数)

なぜ「いくつ多いか」でそろえたかというと、引き算が苦手だからです。←ウチの息子並みの頭脳^^;

…でも、これもXの概念を使っていますね。
もはやXの概念抜きでこの手の問題を解けなくなってしまったかも…
返信する
確かに面白い。 (よね)
2007-03-28 15:28:41
midstreamさんの考え方が一番シンプルで
小学生向けのようですね。

3者3様で非常に面白かったです。
返信する

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