よねの備忘録

お勉強問題が中心。
政治を語るときは、ネトウヨです。

基礎知識の理解と運用~公式より大事なこと。

2007-10-25 16:25:43 | その他

以前のエントリーより

さて、ある塾を覗いてみましょう。
中学生が講義を受けています。

(引用開始)

『のんびり君は、朝15分間散歩しました。
歩いた道のりは500mでした。
のんびり君の歩く速さは、時速何kmでしたか』

先ほどの数学の時間で、小学校の「速さの問題」を復習して、
次の時間までに、この問題を解くように言われた中学生たちが
休憩時間に一生懸命解こうとがんばっています。

数学の苦手なボータロウ君は、「速さの問題」と聞いただけで、
心の中でウヘエと思いました。

「ウヘエ、もう公式なんか忘れちゃったよ~」

努力家のコツ江さんは、公式をしっかり覚えていますから、
なんとか解こうとしています。

「ええと、たしか、速さ=距離÷時間だから、
式は500÷15でしょ。計算すると、33.333・・・あれえ、
割り切れない!」

しっかりもののガン太君が、そこで助け船を出します。

「割り切れないときは、分数で表すんだよ。500÷15は、
500/15(15分の500)だろう。
約分して、100/3だから、答は時速100/3kmだ」

秀才のキチン子さんのメガネが、きらりと光りました。

「馬鹿ねえ。時間と速さの単位はそろえなくてはいけないって、
さっき習ったばかりじゃない。
時速を出すときには時間の単位を「時間」に、直すことがポイントって。
「分」を「時間」に直すときには60で割ることも覚えておかなくてはね。
だから、15分を60で割って、時間は15/60時間ね。
だけど、ここで安心してはダメよ。
(読んでいるだけでウンザリしてきますので、以下略 by よね)

今まで寝ていたジックリ君、問題をみます。

「なんだ。簡単じゃないか。
時速って、1時間にどれだけ進むかってことだろう。
15分で1km歩いたんなら、そのまま1時間歩けば、えーと、」

ここで、ジックリ君、教室の時計を見ます。

「15分を4回歩けば1時間だから、500mを4回歩けばいいよね。
すると、500×4=2000。2000mは2kmだから、
答は時速2kmだ」

(塾の先生の解説)

ふつう公式の説明するときには、具体的な状況を考えさせて、
だから、この公式は成立するね。とやっておいて、
じゃ、公式にあてはめたら、答が出るから、公式を使って解こうね。
ということになりやすいです。

公式を使うということは、
考えないで、数字をあてはめるだけ
ということになりやすいです。

先生が先ほどの授業で、「速さの公式」を教えないで、

 速さの意味図を描いて考える方法だけを

じっくり丁寧に教えていたら、
状況は一変していたかもしれないと思うのです。

さて、このことを実践している方よりコメントを頂きました。
(引用開始)

み(道のり)・は(速さ)・じ(時間) とか き(距離)・は・じ・・のような公式は 小学校の時は暗記させませんでした.
すべてノ-トに具体的な絵を描いて解いてました.
なぜ 公式が割ったり、かけたりするのか意味が判るように、
具体的な絵を描いて解いてました.

(引用終了)

全く同感です。

さて、コツエさんとキチン子さんには、今の小学生の弱点が見えます。

コツエさん、歩いている人が時速33.3kmもだせますでしょうか。
時速の理解が甘いです

キチン子さん。
15/60=1/4と即座に約分できなくてはいけません。
分数、割り算の運用がまだまだ甘いです
速さの問題で、15分ときたら1/4時間と瞬間的にできなくては。
時計=時刻の理解が甘いです

基礎知識の理解が甘いから、うまく運用できないのです。

時計、面積、百分率、比などなど。

公式以前に、どういうものかという理解が甘いと、運用できません。
これらは図を描いてイメージを蓄積していきます。

約分が即座にできないのは計算力不足です。
具体的には割り算の練習が足りません。
割り算は小学校3年の課題ですが、4年生になっても、5年生に
なっても、「割り算」の感覚が鈍らないように、
時々は演習しなくてはダメです。
分数も同様です。4年生に習いますが(以下略)

習ったことを鈍らないようにしなくてはいけません。

【2007年4月の全国学力テスト・算数Aより】

 0                 1
 | : : : : : : : : :
 ア イ ウ エ オ カ キ ク コ コ サ
  
(0から1まで、10個の目盛りが打ってある図)

問   0.6 7/10 4/5 の中から最大の数のものを見つけ、
     ア~サの目盛りのどこに位置するか答えなさい。

正解率 55.9%

全国の小学校6年生が解いた問題ですが、
グラフ、定規、小数、分数がうまく運用できなかったようです。

基礎知識の理解を深めるために、
基礎知識を運用するために、
図を描いたり、感覚が鈍らないように計算プリントを解く。

文章題や公式の記憶よりも大事なことです。







コメント (4)
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