枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

神無月・上弦・小潮

2023年11月20日 | Weblog
 しし座流星群、深夜に晴れているのを確認し数個を観られた。流星雨となるのは2031年というテンペル・タットル母星の周期事象。毎年、半ば諦めの心境なのも観られたことは有難い。おうし座流星群共に、呼ばれて出たらの流れ星に今後の想定をしておく。今朝は、微風はあるものの快晴に布団を広げているよ。

 庭を徘徊しつつ、枇杷葉の生葉を数十枚採り漬け置くことにした。常備しているのは3瓶あるから、寒中の仕事に思っていたが備えあればと用意した。使用できるのは約3ヶ月後からだが、冷暗所の状態や症状への緊急性には欠かせない。チャドクガや百足に蜂と、医者に行く前の応急手当が可能で重宝するのだ。

 刺されないのを前提だが、相手は敵と見做すので毒を排出してくる。これが痛いのと半端ない痒さで、眠れない程の症状を起こす。医者に罹っても、処置の方法も無く痛痒さは続くのだ。枇杷葉のエキスを塗布すれば、小1時間もすれば・その間は患部に当てて我慢だが治まる。熱感はあっという間に退いていく。

 頭痛がする、という場合には肩凝りや歯痛もだが血管の詰まりや冷えから来る。幾ら歩くのがいいからとしても、その後の対応如何で結果的には疲れを増す。出かける前に着替えの用意と、白湯や温かい飲み物を帰宅して摂れるようにしておく。血流が動きで温まったのに、冷たい物で凍結状態に戻さない工夫を。

 夏場にシャワーとしていると、秋口になると身体の不調を訴えるし故障の原因にもなる。自業自得という、悪循環を繰り返すことに身体が抵抗してしまう。食品の中には添加物や防腐剤等が隠され、洗剤や備品への人工的な臭いが充満している。それらは自然の法則に異なるので、目一杯の抗議をし危険を知らす。
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雪がちらつく・・・

2023年11月19日 | Weblog
 今朝は快晴、雲はあるものの温かさに一息吐いている。前日のこと、北の空が曇り瞬く間に黒雲湧き上がってちらつく物あり。まさか?雪でした、小一時間程度風交じりに吹き遊び気温も低下。ブロ友さんも、雪が降ったと更新されていて納得の次第。指先が冷たくて、手覆いを填めたら少しは温かくなりました。

 この時期、数年に一度の割合で起きる現象だが今年度の異常さを思うばかり。昨年には、温かで穏やかな日和続き蜜蜂も飛んでいたのが見かけない。枇杷葉の裏年とは、こういう事態も有り得ると地面の濡れた外に出て観上げた。風の勢いも強くなり、木枯らしの季節がやって来たと胸元を掻き合わせ身体縮める。

 トーランドット。映像と主役・脇役の多彩に加えて衣装に眼を奪われるのは、好みの色であるからだがとも。カラフ王子はフラミンゴ、間違いブラシド・ドミンゴ何ともハムサンド。リュウ役の彼女も、歌声もだが想いを切々と訴えてこと切れる。想う気持ちに境はなく、愛する気持ちに偽りのあろう筈もなくて。

 劇中の有名な場面は、荒川静香さんがトリノオリンピックで優勝されたからご存じと。誰も寝てはならぬは、王子の姫への謎解きだ。ソプラノとテノールの響きに、暫し酔いしれた。姫の心情が衣装に依って変化する、白から清んだ淡い水色に濃い青にと心の動きを現わせる。生で観たかった作品の一つでもある。

 庭の徘徊時には、枯れ葉を外し落ち葉を片付ける。枇杷葉の枝の中心には、そのどれもに苞が膨らみを見せているが満開には遠い。僅かに綻んだ花の香りに満足しながらもうれしく、声をかけて廻る。命は、人間だけではないと知らされる瞬間だ。自然からの恩恵に、祈りと感謝を持ち暮らせるありがたさを想う。
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夜間は埒明かず・・・

2023年11月18日 | Weblog
 朝の空には、晴れ間が広がり雲の動き活発なれども吹く風あり冷たく。布団は干せぬので室内にて除湿機稼働させるものの、昨夜の曇りに流星群観られず。朝刊を眺めながら、嘆息することが増えて思案に暮れる。第一原発の汚染水や、国政の如何にもだが沖縄辺野古工事に関する賄賂の巨額さに然も有なんとも。

 これが問題にされないのは、情報での制限もあるのか?臭い物には蓋をせよ、沖縄を単独孤立させ知事を生殺しにしているとしか思えぬ。政府の遣り方は異常で、アメリカ寄りに依存し援助金額を防衛費で膨らませる。巧みに且つ目くらましをぶら下げ、庶民を騙す手管の数々とは考えることさえもないのだろう。

 政界さえ良ければ安泰と高を括り、庶民が立ちいかない現状にはそっぽを向くのにため息すら出ない。自給自足を行えばいいが、そこまでの資金繰りが追い付かないから止むなく買う。悪循環の繰り返し、これこそ自転車操業ではないかと独りごちる。自らの命を絶つ前に相談をと云うが、そこまでの悠長さは否。

 ソロモン王でもない限り、命は選べない。権力者は、自分でないから赤子であろうが病人にさえ慈悲はない。国が亡ぼうが自分のことを優先する、そこに託け武器は生産し儲けが出来る仕組み。誰一人としてトリスタンにはならず、終わりのない諍いを続け地球を滅ぼすことへ加速。知らぬ振りを続けて果てる。

 大根葉が手に入ったので糠床と炒め物にし、柚子はお茶に皮を刻み汁を絞った。種と袋は、ホワイトリカー35℃に漬ける。富有柿が2個入っており、霜の降りた後の甘みたっぷりで柔らかいのも有難い。他所さまからの頂き物は、細部まで使い切り無農薬なのも安心して口にできるは田舎の特権かも知れないわ。
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枇杷葉綻ぶ・神無月

2023年11月17日 | Weblog
 昨夜からの雨に一息吐いていたが、朝には止んでいる。陽射しは眩しく気温も穏やかに、暖房は点けずだ。雨神が臍を曲げたのか、各地で雨量の減りが目立ち底つく有り様に冬場の枯渇を憂う。急激な寒さに身体が多少は慣れたのか、然程に防備しなくても過ごせるのは枇杷葉のお陰だ。慌てる何とかは、諺を思う。

 今朝は網戸に一部開放しているのは、すばるが外の様子と陽射しを浴びたいからだが枇杷葉の花芽も綻ぶ故。このやさしく仄かな香りは心にしっとりと忍びこみ、癒しと温かさを与えてくれる。香料にも多々あるが、しめやかさを纏えるのも落ち着きゆったりとできる。きつい匂いは、香害と思うので香水は苦手だ。

 洗剤の多くは人工的な臭いゆえに、辟易するわ気分も眩暈や動悸に転じ寝込むことにもなる。出不精であるのもその要因は否めず、大勢の要る場所は避ける。匂いも、臭いとも書くが殆どの方は平気なのにたじろぐ。自然の香りならいざ知らず、混ぜ合わせの物質に心は千々に乱れる。きっと惑乱と錯乱状態ですな。

 枇杷葉の花も、室内に飾りおけば強くも感じるし夜間に匂いも増す。柊や銀木犀の爽やかな香りも捨てがたくありと、庭に植えている。銀梅華も意外と薫ので、季節外れの花を見て返り咲と知れた。宇宙から与えられた物事に感謝と祈りであれば、心を豊かに育んでくれるのが何よりもありがたいものと宙を観上て。
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すばるは不機嫌・寒い?

2023年11月16日 | Weblog
 数日急激に寒くなり、湯たんぽを入れたりの飼い主への態度改善なし。鳴いて窮状を訴えるは、寒いということなれどと電気ストーブ稼働。途端に静かになり、喉を鳴らす居住まいである。然しながら、飼い主は電気代の恐怖が抜けず止めてしまう。余熱があればそのままの状態、冷えて来ると抗議が始まる繰り返し。

 電力会社から通知が届き、金額にほっとするのもつかの間請求時には跳ね上がる。差額は片手なのも納得いかず、不信感を煽る。この数ヶ月、料金の見直しをしている筈が何故落ちる金額は上がるの?再稼働への懸念が増す。加えて政界への裏金を渡して、工作していると思うが電気を停めねば請求は持続だと我慢す。

 今朝、足湯に行くとの連絡に急遽ブログ更新中。お昼の用意は、野菜オンリーの献立にしようと思いついた。昨日なら、酢飯があり握りや手巻きもできたが。珈琲を飲むのと、足湯が目的として構わないことと決め準備万端整う。気温が低めで布団は干せないものの、天気なのは佳し。今の現状を受入れることに終始。

 湯たんぽを使い始めたのも、就寝時には足元から温かさが遣って来るので有難い。取り換えは入浴時に行い、風呂に移すので無駄はない。日中は、足元に置いたりすばるに使用するから役立つ。風呂の湯は洗濯機へ使い、水道代の倹約にもなるから一石二鳥以上だ。朔日に立てた湯は、枇杷葉を入れるので、温かいの。

 年金暮らしの工夫にも限度があるものの、他人は充てにも頼りもできないと昨今痛烈に思う。自らの知恵を閃かせ、出来るようにすることで暮らさなければ生き詰まる。人生の愉しみ方は往々にしてあると、今更ながら判ることも増えてきたのはありがたい。誰かの為に?気づかぬ者には、云うても伝わりませんわね。
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寒さ和らぐものの

2023年11月15日 | Weblog
 気温は流石に20℃を切り、下がる一方に朝は曇りという肌寒さだ。暖房費の節約も注意をしているが、指の冷たさに閉口。ため息も吐けば凍てつく前の状況、衣類もセーターに替え温かく装って過ごす。Am10時を過ぎた時点で雲が流れ快晴に、布団を広げる。洗濯物は、台所のカバーを洗い駐車所まで干しに。

 で・庭の徘徊をしていると、枇杷葉の虫喰いや枯れた葉が目立つので外す。ヨーグルトの押し売りに遭遇し、無碍なく断り精出す。日中は留守が多いのよ、売れないでしょ?無料と飛びつく者もいたようですな。情報を捥ぎ取られるので、トップシークレットは用心に更なる防備として。怪しき物体に近寄らず。

 昨夜は薄曇り状態、寒さもあり星は観なく読書にした。明日は図書館まで行く用事もあり、時間の節約と勤しむ。近場には店は見当たらず、青空市でさえ隣市まで行かないと賄えない。生協は月曜日に決まっており、注文し忘れたら工夫と倹約に徹する日々だ。今月は少し抑え、1ヶ月の遣り繰りが貧困となる。

 土を買って、その中に種を蒔き育てていけばいいのだが…お米も採れる。清貧の暮らしの響きは良いが、正念場かな。手立てを思考中だが、来春に持ち越すので段取りをしておこう。現代農業に学べることが多く、その一端が新聞にも取り上げられていた。地球の再生も、廿浦浦の方法如何で閃きに瞳を瞠るわ。

 枇杷葉は百薬王樹と謂われるが、その薬効を症状に応じてこそ生かされてくる。一般的な考えでは先ず医者だろうし、民間療法のやり方を熟知していないとも思える。自らが施行して、個人の症状への的確な対応であっても実行はされまい。やはり見ず知らずの方へ、勧めるとややこしいから止めることにした。
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初冬から真冬に?

2023年11月14日 | Weblog
 おうし座流星群を観ようとパジャマで出たら、さぶかった。如何!体調崩すと、重装備手前の出立に朔日で月明りはなく流れる数も多い。数日間は曇り、極大日は雨であったから待っていた。然し気温の低さは想定外で、10分も経つと身の危険を感じ室内に入る。足元が冷えるのを、湯たんぽで凌ぎ朝まで熟睡。

 昨夜は、すばるにも入れていたので布団に来ず。今朝は、陽射しを求めて移動し毛布の中に潜っている。先程まで膝に居たが落ちそうになり…機嫌を損ねたもので、湯たんぽ設置場所へと。晴天に気温も15℃あるのも有難いこと、暖房費に頭痛がしてくるわ。足元は、防寒室内履きがあるのと身体に着用で対応。

 Aさんから、水を取りにとの連絡があり急遽出かけていた。天気が続くのも、地下水脈には多大な影響が出る為で当分停めるそうだ。枇杷葉茶を煎じるのと珈琲、ご飯を炊くには欠かせないので備えて置く。今後は無暗に使用できずだが、食べ物の味が全く異なるので我慢比べ必須だ。水神さま、出雲に集える。

 身体の不調を書かれての投書やブログを読む度、夏の間に冷房を点け冷たい物を摂取した見返りだと。体外に出ていく汗には、不純物廃棄の役割もある為温度設定に注意が必要。況してや、血液の循環を妨げるので極力避けるのが賢明。夏の身体で冬へ、冬の時点では夏に向かわせると知っておきたいものです。

 備えあれば患いなし、以前には堪えられなく不平不満であったが四季の変化に対応。病は、医者や薬で治すのではなく自然治癒力を援けること。手術か生涯を薬との宣告、何も要らぬと気づけ与えて貰えることに祈り感謝の有難さ。枇杷葉に委ね援けて貰え、心を潔くで生かされるのは最大窮な自然からの恩恵。
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神無月・朔・大潮・三隣亡

2023年11月13日 | Weblog
 今朝は、時雨の中ゆっくりと天気の回復がみられる。気温は、10℃になり暖房を点けるまでもない。連載していた物語も、前日までに書き上げれたのはPCのキーを指示通りに叩くだけである。他人が聞けば、不信感は拭えぬだろうが事も無げに進む。朔日までには終えると知らされ、事実その通りに書けれたのだ。

 何等疑いの余地はなく、日々の出来事も支障なく捗る有難さだ。薄日から陽射しが増し、洗濯物が乾くと笑みが零れるのもうれしい。テレビは一切観ないので世間のことはつゆ知らず、それで不自由とも思えない。情報量は半端なく溢れ、その中から選ぶこと自体無理がある。他人のすることに関心はないのですわ。

 今日は、図書館も新聞も休みであるが殊更に困りもしない。何しろ宇宙からの声が聴こえる為、憚ることもなくなのだ。時間のやり繰りで、可能なことをすれば好く欲を出さず願わないと戒める日々でもあるの。買い物は、その殆どが生協利用なのも時間の節約と予定が立つ。収入が決まっていては、極力無駄排除。

 個々の事情にも多々あると思うが、施しは要らぬ。枇杷葉茶での縁も様々で、心が通じ合えば芳しに反転すれば本人に時間と共に還っていく。特別なものはなく、祈りと感謝があれば命を想えるのがありがたい。人間に執っての物事・事象ではないのも明らかであり、気づけることは宇宙の意思にも感じ光あふれ来る。

 夜空を観上げて星を眺めるが、最近は防犯灯設置に眩しくてならない。電力会社の陰謀としか思えなく、町政へ嘆願。財政困難は何処も同じだが、税金の無駄?多額の負債を庶民に支払わすことが腑に落ちない。台所事情が逼迫していても、公務員や議員報酬は上げるの?唖然とする。霞を食べて、仙人の修行しよう。
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悠紀の彼・15

2023年11月12日 | Weblog
 悠紀は虚ろな心を封印して、実行する任務を気づかれることなくやっていた。人が他人を裁けないように、選ぶことは困難を極めた。悠紀は視えてくる印を決め手に、感情移入させず分ける作業に没頭した。非情なようだが、新しい星へ移るのも此処に残る人数も既に決まっているし時を超えていく者たちさえ。

 この星は滅び逝き、仮に再生しても人類の繁栄は見当たらない。放射能に汚染された場所で、生き延びる手立ては皆無に等しく今までの見返りも消える。新しい星に移ったからと楽観するのも危険で、都合よく順応できない者も居よう。選ばれし者であれ、生きて逝かれる確実さや保証がないのは明らかだった。

 悠紀には判るが、凡ての命に伝え訓える術もないのは確かだ。今を悔いる想いは欠片もないが、背負うことに心は抗えず眩暈を覚える。この世の春を満喫している者のなんと多いことか、夏も秋や冬の時期は来ないと喧騒に紛らわせている。直ぐ傍にあることに気づかないでいて、見えれば突然とわめきたてる。

 他人其々だと静かに黙し、悠紀は真直ぐに前を向き歩んでいくことに戸惑いはない。行く先の果てには何もないのだ、虚でもあり無にも等しい世界が存在するだけだ。そのことを訓え告げても、誰一人信じはしないことも知っているが同志は心に感応してくる。悠紀は、彼への想いを解き放ち旅立つ為に翔けた。
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悠紀の彼・14

2023年11月12日 | Weblog
 悠紀は、電車を利用して市内に出かけていた。人混みというか大勢の他人の犇き合う状態が苦手で、用事以外には立ち寄らないでいる。その日はへんてこな日で、本屋に長居し過ぎ慌てていたのもある。店を出ようとし、前方不注意で誰かとぶつかり…えっ?躱されたわ。思わず悠紀は、瞬きと同時に相手を見た。

 彼だわ!だが、向こうは悠紀には気づいていない。まるで異世界に居るように、悠紀の存在はなく話の内容から誰かと言葉を交わしている。悠紀は何が起きたのかが直ぐには分らず、突っ立ってしまう。彼の姿は、齢を経ており中年に差し掛かっている。ふと悠紀は疑念に駆られて辺りを見回すと、地下道に居た。

 悠紀の感覚が戻るにつれ記憶の鮮明さで、そこは古の都に続く回路だと知れた。悠紀は、過去への扉に入り時間を遡っていた。だが心に蘇る映像に反して、何故?という想いの方が強く押し寄せて来る。彼に出遭うのは、この時なのだろうか?悠紀の心は揺れ眩暈もしてきた。彼の声が近づき「だいじょうぶ…」

 悠紀は黙って頷き、真直ぐに彼を見た。間違いなく彼だが、悠紀のことは記憶に存在していないと判る。この状態で告げる言葉は見当たらず、未来への展開を教えられもしない。悠紀は胸の中に溢れかえる想いを必死で抑え、彼の往くのを見送る。彼に遇えたことが信じられず、一言も話せない侭に悠紀は震えた。

 電車の発着があったのか、うごめく他人が移動して喧騒に我に返ると本屋を出ていた。悠紀の心は、彼の姿に捉われ想いが広がり宙に翔けるのだった。何かを停めなくては、このままにはできないのよと悠紀は強く感じていた。時間軸が何かで違えたのだ、思念の中に好ましくないものがあるのを視て瞳を閉じた。
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