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洩らさばや-有房

2013-02-26 00:00:00 | literature

千載集・恋歌にこの歌がある。(岩波版大系、緑本)

  洩らさばや 忍びはつべき 涙かは
  袖のしがらみ かくとばかりは  源有房(千載和歌集 11-0680)

切ない恋の涙が川となって流れ落ちる。その流れを止められるか。(いやいや、とてもとても)
「涙」が核になって、「涙川」「(反語)かは」が掛詞、それに「洩る」が縁語。
「涙」と「袖」が対語、「しがらみ(柵)」は「川」の縁語。
「かく」は「(袖を)掛く」と「斯く(=これほどまでに)」の掛詞。

類似歌として拾遺集・恋歌に

  涙川 落つる水上 早ければ
  せきぞかねつる 袖のしがらみ  紀貫之(拾遺和歌集 14-0876)

がある。(岩波版大系、緑本)



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