2008-0627-yts611
古をしのびて眺む綟摺の
今年はげにもにぎはひて咲く 悠山人
○短歌写真、詠む。
○芝庭に毎年捩花(ねじばな)が咲く。ことしはいつになく多く、長期にと、例(ためし)とは違う景色である。「しのびて」で、「古」と「綟摺」を繋いだ。捩花を綟摺(もじずり)と知って誰も連想するのは、『百人一首』の「陸奥(みちのく)の」歌だろう。
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
乱れそめにしわれならなくに 河原左大臣(『百人一首』14)
表記は、講談社学術文庫『百人一首』(有吉保 訳注)による。
¶綟摺(歴:もぢずり/現:もじずり)=古歌が「しのぶもぢずり」であることから、短歌の世界では「忍ぶ(恋)」を含意することが多い。
□短写611 いにしへを しのびてながむ もぢずりの
ことしはげにも にぎはひてさく
【写真】同前。夕風が吹いて、花頭あたりが少しぶれている。巻き方は、真上から見て、右巻き(この写真)と左巻きがあって、少しばかり不思議な感じがした。