妻と私は器(うつわ)にはかなりこだわりがありました。
夕食では、いただく料理によってこのお皿で、日本酒はこれで・・・・といった感じです。私の提案は大体受け入れられませんでしたが
そういいながら、お酒の器にかんしては私のセンスも認めてくれました。
いい器にいいお酒をいれるとなぜかおいしい。
先日うかがった豊中の器のお店ではまず、
これです。高知に工房がある小坂明さんのもの。拭き漆で表面を仕上げています。いちど炭化焼成したあと生漆を焼き付けています。
内側には渋い色の金が塗ってあります。普通は何もしないと思われますが、この金色が妙にシックでいい。これに焼酎なんかをいれるとうまいだろうなー・・・と想像しただけでわくわくするではありませんか。
えっ、みなさんは感じない?
そして妻の好きだった渡邊明さんのガラス器です。熟練のワザが光ります。作品数の少ない方ですから探すのが大変。
今回は無色の硝子切子です。
どうすればこのような細かい作業ができるのか不思議です。
上から覗くとさながら万華鏡のよう。
これにぬる燗で一杯やると「クー、旨い!」と感激して底をながめる・・・・そしてまた一杯。
妻の仏前に供えるのもおこたりなく、春の夜はふけていくのであります。