自分の励まし方・・・・・第2弾です。
作家の山洋子さんはご自身も辛い病気を経験されていて、歩んでこられた道のりもすごい。ファンのかたはご存じでしょうが、私はこの方の小説を読んでいませんのでわからないのですが、自分の励まし方というエッセイは体験者でなければ書けない説得力があります。
一部分ですが紹介します。
『そして最後は四十代後半。自分が体を壊しているのに夫が末期癌になり、高い治療費のために働き続けなければならなかった。
どの時も、正直言って「死」がちらついた。
でも、同時に思った。
「人はいつか必ず死ぬ。そして楽になれる。だったらあわてることはない。とりあえず今日は生きよう」
しかし状況が状況だから、どうしても暗い顔になる。がりがりに痩せて、顔色も悪い。必然的に人が去っていく。
やさしくしてほしいのに去っていかれると、恨みたくもなる。けど、恨んだらよけいに気持ちが落ち込む。
誰だって暗いものからは目をそむけたいのだ。それにこういう状態の人間は「私は不幸なの。この苦しみを一緒に背負って」というマイナス・オーラを発している。
どう考えても「友達になりたい人」ではない。
そこで考えた。ともかくこの陰気さを消そう。無理にでも笑おう、と。
無条件に笑えるコミック、映画、落語などを、毎晩、寝る前に見たり聴いたりした。ばかばかしければ、ばかばかしいほどいい。
「あはは」と一人で声を上げて笑うと少し気が楽になり、今日はもう悩むのを止めて寝よう、という気になる。
もうひとつ。外で食事などした時は、お金を払う時、必ず「ありがとう。おいしかったです」と付け加えることにした。また、人に良い事があったり幸運が舞い込んだりしたら、羨ましさや嫉みや惨めさを必死で押し込め、「おめでとう!」「良かった!」「素晴らしい!」と、率先してお祝いを言う。
言いたくないからこそ言う。そうすると少しずつ周囲に人が戻ってくる。自分も、人の好意も素直に受けられるようになる。すると不思議なもので、いつのまにか状況が好転していることに気がつくのだ。
まず自分を笑わせること。こういう時こそ人を褒めること。親切にすること。それこそが自分への励ましになる。振り向けば、いつもそうやって、なんとか乗り切ってきた。だからいま、こうして生きている。』
いかがですか、なんだか気持が「ふっ」と落ち着きませんか。
ということで私自身は、今日はよい天気なのでさらに気分爽快朝食もおいしいし晩酌も楽しみだ
おーっと、明日はホワイトデーだ。プレゼントを買いに行かねば