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GE ハドソン河のPCB汚泥除去に本腰 New York Toxic River Clean-up

2010-12-25 | 環境・エネルギー・食糧
2010年12月25日(土)

NYに流れ込むハドソン河の川底に大量に堆積したPCBを含む汚泥は、米国の環境汚染問題の中でも最も大きくかつ長期に渉って論議の的になってきた。このほどその責任を問われてきたGEが、本格的に除染に取り組むことを発表し、このために第4四半期決算で5億ドルの引当金を積むこととしたとFinancial Timesが報じている。

GEはハドソン河上流にあったキャパシタ工場から、戦後から77年にその使用が禁止されるまで30年間にわたりPCBを川に垂れ流したことはGE自身も認めてきた。そのために、GEはすでに8.3億ドルを対策費用として支出してきたが、全面的な除染作業には乗り気ではなかった。

この結果、GEは米国環境庁(EPA)とは長年係争状態にあったが、第一次除染作業の結果、汚染汚泥の堆積が予想を上回る規模であることが判明し、このままでは、「エコマジネーション」(Ecomaginination=ecology+imagination)というキャッチフレーズまで造語して、環境保護に熱心な企業というイメージつくりに励む企業にはふさわしくないという局面に立たされていた。

こうした中で、環境庁の強い指導姿勢に従う形で、GEは今回の措置に踏み切ったものとFTは報じている。環境庁高官は、「両者ともに問題解決を急がねばならないということでは一致している。GEも本気になった(They are stepping up to the plate.)」 と言明している。イメルト会長は、「第3四半期の5億ドルの償却など、今後の決算予想から考えれば、問題にするほどのことはない(The fourth quarter charge would take the Hudson issue off the table when looking at the future financially.)」と余裕を見せている。


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