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オバマの「核なき世界」 A world without nuclear weapons

2009-09-25 | グローバル政治
2009年9月25日(金)

水曜日、国連安全保障理事会(the U.N. Security Council)は、核軍縮促進を決議した。オバマ大統領は、米国大統領として初めて安保理議長として、イランと北朝鮮の核兵器開発を非難した上で、核保有国には保有核弾頭数の削減を、開発途上国には、核兵器開発を行わぬようにと説得の演説を行った。

"We must stop the spread of nuclear weapons and seek the goal of a world without them.” 「核兵器拡散を阻止し、核なき世界という目標に向けて進まねばならない」というのが、同大統領の主張の真髄を形成している。

しかし、包括的核実験防止条約CTBT)に、米国はまだ批准していない。この条約には、クリントン政権が1996年9月に署名済みだが、当時共和党が多数派だった上院が批准に反対したままになっている。オバマ大統領は上院での批准を行うと宣言しているが、これを実行しない限り、世界に正義を求める資格は無い。

批准を拒んでいるそのほかの10カ国の顔ぶれを見れば、世界の不安定化要因がどこにあるか、一目瞭然である:イスラエル、イラン、インド、インドネシア、エジプト、コロンビア、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、パキスタンである。

年末に期限が切れる、米ロ間の戦略核兵器削減交渉(START-I)は、米国が、イランを仮想敵国とした中欧での中距離核ミサイルとレーダー探査網の配備を見送ったことで、交渉再開の可能性が高まってきた。

オバマ大統領の「核なき世界」を作ろうとの呼びかけが、「核クラブにこれ以上の会員を入れないよ」という呼びかけに終わらぬよう、核クラブの存在そのものを消滅させてこそ、本来の意味になることを、日本人はしっかり意識しておかねばならない。

2008年1月現在の、核クラブ会員の核弾頭保有数が、一時より削減されたとは言え今なお地球を何回破壊しても余りあるほどに存在していることを再認識しておこう。

米国4075 ロシア5189
フランス348 イギリス185 
中国176 イスラエル80 
インド60-70 パキスタン60 
北朝鮮6-8? 
(イランについてはウラン濃縮技術を含め状況未確認)




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