2008-9 No.020
国連総会における各国首脳の演説が始まりましたが、ブッシュ大統領は30回もテロリズムとの戦いに言及してその執念のほどを示しながら、総会における8回目にして最後となるお別れ演説を行いました。
また注目のフランスのサルコジ大統領が演説の中で新しい言葉を発表しました。『regulated capitalism』(規制下の資本主義)です。自由市場主義の放埓に任せたことが今回の世界的な混乱の原因であり、もはやこのような状況を放置できないとする同氏の明確な意思表示であります。
ブラジルのルーラ大統領は、国連で『世界の金融界には透明性を担保する防止策と制御機構が必要である。グローバルな問題はグローバルに解決すべきである。現在の国際機関には投機の無政府状態を抑止する手段も権限も無い』と批判しました。そしてサルコジ大統領も同趣旨からの『国際機関の改革』を訴えました。
一方、英国のブラウン首相はマンチェスターの労働党大会で支持者を前に、『市場を崩壊させる空売りの規制、シティーの金融界トップの莫大な報酬への規制、破綻銀行へのイングランド銀行の経営介入権の立法化』を軸にした金融界改革の政策意思を明確にしています。またEUレベルでは、クロスボーダーの銀行監視と規制の枠組みをつくることや、証券化商品の発行会社に10%の保証金を積みたてることを義務化することなどの規制強化に乗り出すことが決まっています。
そして、来月初めのIMF総会を前にした、ストラス-カーン専務理事が23日のFTに『システミックな危機にはシステミックな解決案が必要』との論文を寄稿しています。『今回の危機は構造的な問題である。金融界が取り込んだ過剰なリスクに対する規制機関の無能力が露呈されたのだ。特に米国において。再発を防止する方策をとるべきである』として、新しい枠組みの導入を、IMFの総会テーマにしようと意欲満々なところを宣言しています。
世界は、自由市場経済のどこかに間違いがあったことに気付き、一気に規制強化を声高に言い始めました。もちろんおのおのの真の意図は異なっているのでしょう。米国政府の70兆円金融界救済プランに対する議会証言が始まりましたが、今日各局で放送されたやり取りは近来に無い面白いものでありました。ブッシュ大統領のお膝元の共和党からでた救済のための政府介入に対する怒りの言葉は『financial socialism』でありました。
国連総会における各国首脳の演説が始まりましたが、ブッシュ大統領は30回もテロリズムとの戦いに言及してその執念のほどを示しながら、総会における8回目にして最後となるお別れ演説を行いました。
また注目のフランスのサルコジ大統領が演説の中で新しい言葉を発表しました。『regulated capitalism』(規制下の資本主義)です。自由市場主義の放埓に任せたことが今回の世界的な混乱の原因であり、もはやこのような状況を放置できないとする同氏の明確な意思表示であります。
ブラジルのルーラ大統領は、国連で『世界の金融界には透明性を担保する防止策と制御機構が必要である。グローバルな問題はグローバルに解決すべきである。現在の国際機関には投機の無政府状態を抑止する手段も権限も無い』と批判しました。そしてサルコジ大統領も同趣旨からの『国際機関の改革』を訴えました。
一方、英国のブラウン首相はマンチェスターの労働党大会で支持者を前に、『市場を崩壊させる空売りの規制、シティーの金融界トップの莫大な報酬への規制、破綻銀行へのイングランド銀行の経営介入権の立法化』を軸にした金融界改革の政策意思を明確にしています。またEUレベルでは、クロスボーダーの銀行監視と規制の枠組みをつくることや、証券化商品の発行会社に10%の保証金を積みたてることを義務化することなどの規制強化に乗り出すことが決まっています。
そして、来月初めのIMF総会を前にした、ストラス-カーン専務理事が23日のFTに『システミックな危機にはシステミックな解決案が必要』との論文を寄稿しています。『今回の危機は構造的な問題である。金融界が取り込んだ過剰なリスクに対する規制機関の無能力が露呈されたのだ。特に米国において。再発を防止する方策をとるべきである』として、新しい枠組みの導入を、IMFの総会テーマにしようと意欲満々なところを宣言しています。
世界は、自由市場経済のどこかに間違いがあったことに気付き、一気に規制強化を声高に言い始めました。もちろんおのおのの真の意図は異なっているのでしょう。米国政府の70兆円金融界救済プランに対する議会証言が始まりましたが、今日各局で放送されたやり取りは近来に無い面白いものでありました。ブッシュ大統領のお膝元の共和党からでた救済のための政府介入に対する怒りの言葉は『financial socialism』でありました。