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パリス・ヒルトン快楽主義大統領候補?The president of hedonism

2008-08-10 | 米国・EU動向
マケイン共和党大統領候補が、オバマ候補をテレビCMで「セレブ気取り」だと攻撃した際に、「脳タリン(airhead)セレブ」のイメージとして、パリス・ヒルトン嬢の姿をバックに映し出しました。このコマーシャルは、ヒルトン嬢の事前許可を取っていなかったことから、事態は興味深い展開を見せています。

ヒルトン嬢は、インターネットサイト’Funny and Die’に水着の可愛いしぐさで登場して、高らかに宣言して見せました。「わたしはジッチャマとは年が合わないのよ。それにもう一人の男みたいに「変革」を約束なんかしないわよ。わたしはただのホット(hot)な女の子よ。」

そして、マケイン候補に極め付きのきつい一言「わたしはね、米国民の皆様に、ナンツーか、ほら、“いつでも大統領になれる”ってさ 分かってもらいたいのよ」。いつでも大統領になれる(ready to lead)はマケイン候補の宣伝文句であります。

ホテル王の孫にして、二流俳優、スキャンダラスな話題を肥やしに颯爽と生きてきた彼女は、マケイン候補になんと「頭脳プレー」で一本取った形になりました。彼女は、この出演で見事第一線カムバックを果たしましたが、サイトの創設者の一人Adam Mackay氏の脚本どおりの演出によるものであったのです。

この政治パロディは、5百万の視聴者が見たのでありますが、巨額の資金をつぎ込む両陣営のTVコマーシャルによる下品な選挙戦に、さわやかな笑いを提供したのは皮肉です。そしてなにより彼女は自分自身を笑いの対象にすることによって、「頭の良さ」を演じて見せて、好感度を急上昇させました。