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首相党勢回復の賭けを政敵に託す Fukuda gambles on rival

2008-08-02 | 世界から見た日本
福田首相の自民党幹部役員人事と、内閣改造人事の海外報道を見てみました。

FTは、「福田首相、党勢回復を政敵に託した賭けに」という見出しでRival麻生氏の自民党幹事長という最重要ポストへの就任を評しています。また同紙は、麻生氏を評して、「one of the party’s dinosaurs and a product of the machine」 (自民党を支配する恐竜の一人で、党内派閥政治機構の申し子)といい、同氏の幹事長就任は誤ったメッセージを送ることになるとの、テンプル大学Jeff kingston教授の意見を引用しています。

さらに、総選挙の早期実施を急ぐ公明党と、出来る限りの先送りを画す自民党の間の亀裂を指摘し、これが将来の「血を見る問題―bloodletting」 になるだろうと予見する同教授の意見を引用しています。

また、BBCは「福田首相の政敵、改造人事で上昇」、米国ABCは「日本の内閣改造、最重要ポスト就任を政敵に求める」と、両方とも基調は麻生氏の自民党幹事長就任に焦点を合わせています。

一方今回の一連の人事を、最も手厳しく論評しているのは、The Economistで「何か変わるのだろうか」と見出しで疑問を投げかけ、その論説はつぎのように締めくくられています:

「この改造で一時的な任期回復が見込めても長続きはしないだろう。日本の問題、すなわち莫大な公的債務、老齢化社会、官僚支配体制、グローバル経済に立ち遅れる企業社会は引き続き膿みを出し続ける(continue to fester)であろう。政治システムがこれらに対応できる能力は依然として低いままである」。