ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

North Country

2006-06-01 | 映画
スタンドアップ」(現題North Country)をレンタルにて見る。
「モンスター」を見て、シャリーズ・セロンという女優さんはどこに行こうとしているんだろう?と思った。この映画を見てその答えが分かったような気がする。女性であることで理不尽に虐げられ、踏みにじられ、逆境に追いやられることに対する同性としての怒り、悲しみ・・・。彼女の演技を見ていると、その怒りと悲しみに貫かれた一筋縄ではいかない強さを感じる。迷いが微塵もない。すごい。
 この映画は、生活のために鉱山で男と一緒に働く女性たちを描いている。「男の仕事を奪った」彼女たちへの嫌がらせの凄まじさには驚いた。ここには理性を持った人間は一人もいないのかと目を疑う。自分たちの状況を訴えれば嫌がらせは更に増すばかりと諦めている女性達の中で、ジョージー(シャリーズ・セロン)を突き動かしたものは、あまりの理不尽さに対する怒り。終盤の裁判での展開に多少無理があるにしても、この映画は、主演女優を筆頭に作り手の姿勢が真っ直ぐな信念に貫かれていて見ていて気持ちよかった。フランシス・マクドーマントとショーン・ビーンの夫妻(理想的なカップル!)、シシー・スペイシク、ウッディ・ハレルセンなど芸達者な脇役陣もとても魅力的でした。
 そういえば「スィート・ノベンバー」でも、風変わりな芯の強いヒロインを演じていたな~と、今頃になって思うのだった。