高齢者対象の1回目接種を地方都市の集団接種場で受けた。
東京の大規模接種場での接種所要時間は40分程度と報じられていたが、検温~受付~接種の各所で待ち時間が生じたために15分間の予後観察を含め入館から退場まで2時間で接種を受けることができた。全国民を対象とするワクチン接種は、行政・医療・被接種者の全てがこれまでに経験したことのないことであれば、2時間の所要時間も当然のことと思われる。
会場は、人流れや待機場所を考慮してレイアウトされるとともに、多くの誘導員が配置されており担当者の努力と献身は感謝の一言に尽きると思った。更には、末端の自治体にまでワクチンを滞りなく配分・供給する関係者の苦労も偲ばれる半日であった。
自衛隊生活でも、規模は小さいながら人流を考慮すべき類似の行事があるが、対象者が壮健であることに加え、少々の不備は号笛と強圧的な指示で乗り切ることができた。しかしながら、高齢者の集団接種にあっては、自分を含め五体に何らかのハンデを持ち、理解力も低下し、境遇・価値観が多様な、「不特定多数者」をコントロールしなければならず、将に大変な作業である。幸いにして昨日は、指示に抗う者や、不平をぶつける人もなく、整斉と接種が行われていたように思う。
パンデミックの終息には国民の7割が抗体を持つ必要があるとされており、妊婦・アレルギー者・年少者等の対象除外者やワクチンによる抗体獲得率が95%超であることを考慮すれば、対象者(現在16才以上)の全員がワクチン接種を受けなければ目標を達成できないとされているが、諸外国の例を見ると宗教的理由、ワクチンへの恐怖等々の理由から、対象者の7割近くになると被接種者は頭打ちとなっているようである。
最悪に思えるのは、ワクチン接種を拒否する人が、他の人に接種拒否を教唆・煽動することである。これらの人々は善意で、人類愛で、信念に基づいてとしているのであろうが、接種によって抗体を得たいとする人には傍迷惑なもので、新興宗教勧誘と同根の押し付け・独善・権利の侵害に似ていると思わざるを得ない。接種対象者を12歳以上とした京都府の伊根町には、100件を超える反対意見が寄せられたらしいが、その多くは県外からのもので中には脅迫に近いものもあったとされており、抗議を寄せた人々はノアのように啓示を受けたものだろうか。
抗体の有効期間が尽きれば再びワクチン接種を受けなければならないことから、毎年ワクチン接種を受けなければならない可能性もある。ワクチンの開発、接種に要した資産を全世界で見れば既に天文学的数字にな上っていると思えるし、年中行事ともなれば各国は将来にわたって大きな負担を負い続けることになる。
コロナの起源が蝙蝠にしろウィルス研究所であるにしろ、中国であることには変わりないが、当の中国は「蛙の面に小便」的な鉄面皮で、奇禍としつつも国威伸長の好機としている。