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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

コレクション考

2025年02月26日 | 自白
 先日亡くなられた森永卓郎氏のコレクター哲学を知った。
 森永氏のコレクションは、少年時代に父親から貰ったミニカーが原点であるらしいが、傍から見れば脈絡・一貫性のないもの、所謂ガラクタと聞いている、
 後年、TV露出の機会を得た森永氏は、機会・人脈を頼りに有名・著名人にサインを頼み、こけしにビート・たけし氏のサインを貰って「ビートこけし」と駄洒落、森永キャラメルの箱にされたキャメロン・ディアスは「キャラメル・ディアス」とご満悦の様子であった。
 コレクションの中には重複した物も多いようで、インタビューアーが「同じ物を複数個持つ不思議さ」を問い質したら、森永氏は「コレクターの心を解ってないネ。本当のコレクターは、集めることが好きなんだよ」と述べておられる。成る程!!。目的は「集めること」だけで、収集品の価値・希少性・一貫性には頓着しないのがコレクターの神髄なのかと合点できる部分がある。そんな氏の哲学の故か、収集品は天文学的な数に及び、遂には1億円以上も掛けて展示室を兼ねた博物館開設を迫られる結果になった。
 森永氏は、ガラクタコレクター人生を全うされて旅立たれたが、収蔵・所蔵品に対する遺族の対応については、よそ事ながら興味を持っている。
 というのも、自分も楽曲コレクターで、収集・収録曲を24時間不眠不休で聴いても1年以上はかかる程になる。楽曲も、演歌に始まりポップス・ロック・ジャズ・レゲエ・ファド・歌謡曲・軍歌・民謡、クラシック・果てには浪曲まで網羅されている。将に森永氏と同様に「手当たり次第に集めることだけが」目的化していたのは疑いも無いところである。
 自分の遺品整理の場を想像すると、先ず処分されるのは絵、次いでCD/楽曲であろう。遺品整理動画のエンドロールが流れる直前のシーンは、粗大ごみ業者を前にして「目ぼしい物は無かったネェ~」という家族の言葉がテロップで大写しされるのは確実である。

給食費の無料化

2025年02月25日 | 国政・行政
 義務教育における給食費無料化が実現するようである。
 無料化によって、これまで問題視されていた給食費を払えない世帯・児童、物価高による献立の貧弱化、地方自治体の赤字などの救済・健全化に多くの改善が図られることだろう。唯一、癪に触るのは「十分な余力がありながら払わなかった下種ども」の行為を追認する形にもなることであるが。
 昨日、連休逗留中で少食の孫との食事中の会話。
爺「来年度から給食費が無料になるかも知れない」
孫「ヤッタァ!!」
爺「そうか、子供心にも親の財布を気にしていたのか」
孫「ううん。お母さんからの”給食費を払っているのだから、残さずに食べなさい”というプレッシャーから解放される」
爺「それなら、ここの食事を有料にして、お母さんの遣り方が続けられるようにしなければなぁ」
孫「止めてよ。折角光を感じたのに」
 ともあれ、スナック菓子、清涼飲料水、ジャンクフードの偏った食生活で、健全な発育が危惧される発育期の児童・生徒に、1日に1食とはいえ栄養バランスのある食事を提供することには、税金を使う価値があるように思える。

日本学術会議改組法案に思う

2025年02月24日 | 科学
 日本学術会議改革のための日本学術会議法案の内容が報じられた。
 改組の目玉は、2026年に政府の機関から「特殊法人」に移行、業務を監査し会員らの不正行為を首相へ報告する「監事」を、活動の評価方法などについて意見する「評価委員会」を設置、監事と評価委員は会員以外から首相が任命する、であるらしい。
 新会員の選出についても、前任者による後任者指名制度から会員の互選とし、候補者に関しても局外者による品定めが行なわれるようで、活動の透明化によって真の国立アカデミーとしての再出発が期待できるように感じられるとともに左翼伏魔殿からの脱却も期待できるように感じた。
 この改組案に対して、歴代の会長6人が「政府の干渉強化によって学問の独自性が損なわれる」と法案反対を表明したようであるが、彼等が自浄作用の無いぬるま湯組織存続の元凶であれば、負け犬の遠吠えに過ぎない様である。
 日本学術会議が、日本の先端科学を以て国家施策・国民福利に貢献はされているのだろうが、HPに記載されている最近の提言等を一覧(項目のみ)すると、学術会議の存続に関する事項が目立ち、本来の目的よりもお家の存続・既得権益の維持に注力されていたの感は否めない。
 中国コロナのパンデミックから4年後の2023年に「高リスク感染症流行予防対策を進める必要がある」と提言しているが、水際防御の限界、防疫(組織・装備)体制の脆弱性、ワクチン開発の遅れ等の場面で、散々に言い古された内容に近いものではと思っている。何より、コロナパンミック対処で列国の後塵を拝したのは、細菌研究が生物兵器開発に繋がる懸念があるとした学術会議の積弊が関係しているように思っているので、「4年も経って何を今更」と感じられる。
 国際的に評価の高い研究者が、かって「学術会議に入りたいとも思わないし、声が掛ることも無いだろう」とのコメントを読んだ覚えがあり、真の学識者からは、現行の学術会議は「窮屈・偏屈なイデオロギー集団」というレッテルが張られているのは間違いのない所と思っている。

ブリッジと第6級賞詞

2025年02月23日 | 自白
 自分は、第6級賞詞受賞という輝かしい?経歴を有している。
 時間的制約を受ける艦内娯楽の代表はトランプであり、士官室ではコントラクトブリッジ(以後。、コントラ)が行なわれる場合が多い。
 かっては海軍士官のたしなみと半強制されたコントラも、現役の最後頃には見かけることも少なくなっていた。幹部昇任後に初めて乗艦した護衛艦では、コントラ好きの艦長のもと多くの幹部が競技していた。乗艦早々の昼休みに召集され、ほんの数分間のルール説明の後、実戦での特訓が始まった。全く要領を得ない自分には、叱責の声雨アラレで昼休みどころか昼地獄の有様が数日間続いた。しかしながら記憶力に難あるのか、一向に上達することは無かったが、それでも相手からは全幅の信頼は得られないものの、協議参加が認められる程度にまではなったと思っている。こんな叱責満載の地獄絵図が若年幹部から嫌われるのか、歳を追うごとにコントラは士官室から姿を消したようにも思われる。閑話休題。
 夕食後は暇が多い補給艦では、幸いにしてコントラができる者が多く、派米訓練やカンボディアPKO時には楽しむことができたが、金を賭けないこともあって、ギャンブル好きの自分には今一つ充足感が無いし、戦績を誇れる物証も無い。そんな訳で「第6級賞詞」の創設を試みた。
 自衛隊には1級~5級までの賞詞があり、それぞれに十干の甲・乙・丙・丁・戊を冠した識別番号が付されているので、6級賞詞は己(き)を付して尤もらしく装い、賞詞には表彰者の職印が押印されるが、流石に艦長職印の使用は憚られるので箔をつけるために艦長の私印を押させて貰うことに漕ぎつけた。
 受賞条件は、コントラ通算でグランドスラム10回&スモールスラム20回獲得とした。13組の札を取りあうコントラでは13組全部獲得のグランドスラム、相手に1組しか与えないスモールスラム(何故か海自では”リットン”と呼ぶ)であれば、滅多にはできないもので、受賞条件を2年程度の乗艦期間でクリアするのは相当に困難なものである。また、表彰はコントラと全く関係の無い幹部まで士官室に呼び集めて表彰式を執り行った。自分の在任中、6級賞詞を獲得したのは、艦長と自分だけであったが、その後は・今はどうなっているのだろうか。
 引っ越しのどさくさと終活の結果、自己満足の域を出ない6級賞詞賞状は保存の対象とは認められずに泣く泣く破棄したが、悔いの残る出来事であった。
 自分が練った表彰状文言「貴殿の透徹した戦術眼と旺盛な敢闘精神は他の隊員の範とするに足るものと認め 茲に表彰する」・・コントラよ、永遠に。


岸田前襲撃犯の量刑に思う

2025年02月20日 | 裁判
 総選挙遊説中の岸田前総理襲撃犯に対する裁判員裁判で、和歌山地裁が懲役10年の判決を下した。
 裁判における最大の争点は殺意の有無であったが、判決では殺意を含む全ての訴因で有罪と認めた。
 量刑については、殺意を持った一般的な殺人未遂事件と同程度とされるが、産経新聞の社説では、一般的な殺人未遂とテロ行為のそれが同じで良いのだろうかとの疑問を投げかけている。
 被害者の社会的地位に応じて量刑を加減するのは中韓では良く耳にするが、他の先進国ではあまり聞かないものの、テロ行為には別の規定を設けている国も多いのではないだろうか。
 アメリカでは、殺意・計画性の下に行われたり放火・誘拐・強姦・強盗などの過程での殺人を第1級殺人罪(最高刑は死刑)、 殺意はあったが計画性は無かった殺人や 暴力・レイプ等の過程で結果的に起きた殺人を第2級殺人(最高刑は終身刑)としている。更に今回知ったことであるが、フロリダなど3つの州では上記の何れにも該当しない殺人を第3級殺人としているそうである。このように、量刑に対しては被害者の数や社会的地位は考慮しない建前であるが、9.11テロ実行者の裁判が未だ始まらないことを観ると、テロによる大量殺人に対する対処には苦慮していることが窺える。
 被害者の地位や重要度に斟酌しなかった例として、大津事件が挙げられると思う。1891(明治24)年5月11日、大津市訪問中のロシア帝国皇太子(後の皇帝ニコライ2世)を、警邏中の津田巡査がサーベルで負傷させた暗殺未遂事件である。大国ロシアに怯えた政府は大津巡査を極刑に付してロシアに謝罪しようと司法に圧力をかけたが、時の大審院院長(最高裁判所長官)の児島惟謙は「法治国家として法は遵守されなければならない。刑法に外国皇族に関する規定はない」として政府の圧力を黙殺して、事件から16日後の5月27日、一般人に対する謀殺未遂罪を適用して津田巡査を無期徒刑(無期懲役)とした。この司法独立の姿勢は列国から高く評価され、新生日本帝国の認知と後の不平等約改訂に大きく貢献したとされている。
 岸田前総理襲撃事件裁判の経緯を観ると、弁護活動に些かの違和感を持つ。殺意の有無について弁護側は無かったと主張したが、爆発物に殺傷力を高めるためにナット等を入れた時点でアウトであろう。襲撃の動機についても公判の課程で供述を翻す等、弁護士が裁判に有利に途ぶくために策を弄した可能性が見え隠れする。光市の母子殺人事件でも、弁護団に弘中氏が加入した時点から唐突に「ドラえもんがリセットしてくれると思った」等の荒唐無稽な陳述を始めたこともある。
 重大な事件が起きるたびに識者は「裁判で動機を解明し、真実を明らかにして欲しい」と判を押したようにコメントするのが例であるが、今回に事件など現実の裁判を観ると弁護活動(弁護士の教唆・入れ知恵)が真実解明の最大の阻害要因となっているようさえ思える。