もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

塗り絵からの脱却

2023年09月27日 | 美術

 今年に描いたものを並べてみて、だんだんと孫の塗り絵に近づいていることを思い知った。

 塗り絵としても不出来・不十分との叱責は甘受するとしても、居間や絵画教室での存在感を増すためにも何等かの修正・変更が必要では?と考えるようになった。
 という訳で、「筆跡(タッチ)を残すこと」と「常識的でない色使い」を模索するとの大上段で、取り組んでみたが、思いの外に難しいことが分かった。
 試みて分かったところでは、画家が人肌に自分には見えない緑色や青色を使用できるのは、実際の対象に「その混色の塩梅」を認識しているからであろうし、タッチを残せるのは表現したい形を確実にイメージしているからに違いない。
 掲載する習作は以上の意図をもって描き始めたものであるが、取ってつけたような色遣い、迷い満載のタッチ、日曜画家への道のりは遥かで、余命との競争・二人三脚となるようである。


習作「アイドル」(F6)


”山粧う”と郭煕

2023年09月22日 | 美術

 TBS番組の「プレバト」で、随分前に「山笑う」が春の季語であることを知ったが、一体何のこと?と思っていた。

 本日の産経抄で、由来は北宋の画家「郭煕の画論『臥遊録』の「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」であり、春「山笑う」・夏「山滴る」・秋「山粧う」・冬「山眠る」がそれぞれ季語と扱われているらしい。
 郭煕(かくき:1023年-1085年)は、北宋の山水画家で字は淳夫とされている。日本では平安時代中期に当るが、中国では北宋時代で、水滸伝の題材とされる宋江を首領とする36人が実在の梁山泊の近辺で反乱を起こしたのが1121年であるので、北宋文化の爛熟期若しくは退廃初期に当るようである。

 何故に季語の話題かと云えば、現在「歌謡シリーズ第5弾」として、秋の里山「柿の木坂の家」を描こうとしているがイメージに行き詰っている。成る程!!「秋は粧うイメージか」と道が見えてきたが、描くとすれば俳句で表すと同じくらい困難であるように思える。
 これを機会に、郭煕もPC美術館に収集するかと思い立ったが、現在までに発見できたのは1枚(幅)のみである。


早春図(台北国立故宮博物院)

 


ルーベンスを眺める-4

2023年09月13日 | 美術

 第2次岸田再改造内閣の顔ぶれが報じられた。
 11人の初入閣と女性5人の登用で、「政権の骨格は維持しつつも刷新感を打ち出す人事」とされているが、初入閣者については余程の国会通でないと知らない人物が多いように思えることから、”大臣待機組の大掃除”と評する意見も多いが、大臣に任じられた諸氏にあっては任期中に「何等かの良き爪痕」を残して欲しいものである。
 金正恩氏がロシアを訪問したが、首脳会談ではウクライナ戦の砲弾等を提供する見返りに衛星・原潜の技術支援を得るのではとのキナ臭い動きも進行中である。
 9月の中旬を迎えた本日も30℃超えの真夏日予想。秋の気配と上記諸々の平穏が訪れることを祈りつつ、ルーベンスを眺めている。


毛皮をまとったエレーヌ・フールマン(ウイーン美術史美術館)


四輪馬車のあるエレーヌ・フールマン(メトロポリタン美術館)


デキウス・ムスの死(リヒテンシュタイン美術館)


パエトンの墜落(ナショナル・ギャラリーDC)


幼児虐殺(英・オンタリオ美術館)


ルーベンスを眺める-3

2023年08月27日 | 美術

 残暑の日曜日、ルーベンスを眺めて蟄居することとした。

 本日添付冒頭のタイトルにある「クビド」をWikipediaで学んだ。
 《クピードー(Cupido)は、ローマ神話の愛の神。日本語では長母音を省略してクピド、アモール(Amor:ラテン語)とも呼ばれるが、一般的には英語読みのキューピッド(Cupid)で知られている。
 ギリシア神話のエロスと同一視されるが姿は異なり、恋の矢(クピドの矢)を撃つ気紛れな幼児として描かれることが多い。
 クピードーは、ラテン語では「情熱的な欲望」や「欲望」を表し、遡ると、インド・ヨーロッパ祖語 で「震える、欲望する」を表す「kup(e)i」を語源としている》とされていた。
 成る程!!。恋愛には必要な「情熱or欲望」を語源とする「キューピッド」の事かと納得したので、今後は訳知り顔で「”クピド”と気障に云って見るか」と思ったが、これ以上鼻つまみ者になることもあるまいと自重することにした。
 なお、クピドやアモールは小惑星にも命名されているらしいことも併せて知ることができた。


「ウェヌス(ビーナス)と鏡を持つクピド」(所蔵先不明)


「健康」(デトロイト美術館)


「イサベル・クララ・エウヘニア王女」(ウイーン美術史美術館)


[茨の王冠」(エルミタージュ美術館)


「聖ゲオルギウスと竜」(プラド美術館)


夏休みの宿題

2023年08月25日 | 美術

 夏休みの宿題が漸く完成しました。

 今更ながら夏休みの宿題でもないのですが、タイトルはかって人類の母親ともてはやされた「ルーシ」としました。
 ルーシーをWikipediaでは《ルーシー(Lucy)とは、1974年11月24日にエチオピアで発見された318万年前の化石人骨。アウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の中で最初期に発見されたもののひとつであり、全身の約40%にあたる骨(身長 1.1 m、推定体重29 kg)がまとまって見つかったという資料上の貴重さから、広く知られている。発見したのは、国際アファール調査隊で、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」に因んでルーシーと命名された。
 ルーシーの発見は、類人猿に近い脳容量と人類に近い直立二足歩行を行なっていた痕跡を示す人骨という点で重要であるうえ、人類の進化において脳容量の増大よりも二足歩行が先行していたことを裏付ける証拠にもなっている。ただし、以後の研究で、ルーシーを含むアファール猿人は現代人の直接的な先祖ではないとされている。》と解説されている。

 お絵描き教室も8月は夏休みでありましたが、始業式で先生様は何と評価されるでしょうか。


「ルーシー」(F10号)