もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中国のガス田開発と防空識別圏

2018年06月30日 | 中国

 中国が東シナ海で行っているガス田開発が、更に活発化することが報じられた。

 今回の事象は、中国が移動式の掘削船を配備して新たなガス田開発に着手したことであるが、例によって政府は「重大な懸念」と抗議したが、中国は意にも介さないだろう。2008年に「境界確定まで中間線をまたぐ海域に共同開発する特定海域を設ける」と日中で合意したが、中国は中間線から数キロの地点に中国独自の白樺ガス田を掘削し、以後16基のガス採掘施設を完成させ12基が稼働中とされている。当時の日本の識者と政府は、採算見通しと推定埋蔵量から白樺ガス田の開発と存続には総じて懐疑的であり、共同開発合意が履行されなかったことには抗議したものの、冷ややかに静観するものであったと思う。しかしながら、今にして掘削リグ設置を見れば、天然ガス採掘は隠れ蓑、リグを国際的に認知させることが目的で、敵は本能寺にあったと思う。以後の尖閣諸島を含む防衛識別圏(ADIZ)の設定、南シナ海の人工島建設、国産空母の建造、一帯一路構等を見ればガス田開発は漢民族の中華実現の前哨戦であったことが良く分かる。より鮮明になったのは、ガス田のリグから軍用のレーダー波が検知されたことであるが、リグの建設位置から考えると16基のリグは防空識別圏のレーダーサイトとして使用されるのみならず、ミサイルの発射母体や潜水艦捕捉のためのハイドロホン中継基地の機能をも付与されているのではないかとも危惧される。

 日本で中国問題の権威或いは中国評論家とされる人はいるが、中国共産党内の勢力分析と解放軍との関係に詳しいだけで中国の国家戦略を分析して国防政策に提言できる個人・研究機関は目にすることが無い。残念ながら外務省も希望的観測に則った近視眼しか持ち合わせていないようで、長期的な対中国政策は持っていないようにさえ感じられる。蓮舫氏の「2番じゃ駄目なんですか」発言に代表されるように、コスト万能の唯物重視に陥った結果、採算を度外視した独裁国家の戦略ないしは動向を理解する力を国民が持っていないことが最大の要因であるかもしれない。


WCサッカー決勝トーナメント進出

2018年06月29日 | カープ・スポーツ

 ワールドカップサッカーのロシア大会で、日本が一次リーグを突破した。

 一次リーグ最終戦の対ポーランド戦後半40分以後の時間稼ぎを云々する声もあるが、FIFAランキング61位の日本が同7位のポーランドからの失点を防ぐためには已むを得ない試合運びであったとご容赦頂きたいものである。TVでワシントンポストの批判記事が紹介されていたが、アメフトでもQBがニーダウンして攻撃を放棄するとともに、時計を進めることが頻繁に行われており、何か云われる筋合いのものではない。ワールドカップ期間中のみの俄か応援団として僭越であるが、日本選手の弱点について考えてみた。体格の差や得点力不足についてはよく言われ、それをカバーするためにワンタッチパスを多用する戦法で戦っていると解説されており、事実、今回のWCでも日本が挙げた3得点の全てがパス回しの延長上の流れの中で勝ち取ったもので、セットプレーからの得点は無い。そのパス回しについての弱点ではと思うのが、ボールの勢いを殺すトラップ(と表現しても良いのか?)技術に改善・向上の余地があるのではと考える。メッシを始めとする一流選手は、胸や足でトラップしたボールは足元数十センチ以内に転がり、間髪を入れずにシュートやドリブルに移行するのに対し、日本の選手では1メートル以上も転がるため、次の動作に移る前にプレスを受けたり、カットされたり、ディフェンスの時間を与えている場面が散見された。個人技の向上と言ってしまえばそれまでであるが、体幹や身体能力において欧米人やアフリカ勢に太刀打ちできない日本人としては、ヘディングやドリブルでは彼らを凌駕することは困難であろうと思うが、トラップの精度を上げることで日本流のパスサッカーを向上させ得るのではないかと思う次第である。

 サッカー未経験、かつWC期間限定の俄か応援団の考えるところであり、的外れかもしれないことを承知で書いてしまったが、皆様の批判をお待ちします。


喫煙考(東京都の禁煙条例)

2018年06月28日 | 与党

 東京都の禁煙条例が、国の基準を超える厳しさで制定される見通しである。

 止められない喫煙者として、東京都の条例が全国に波及することに戦々恐々の日々を送ることになると思うが、余命を考えれば、全ての喫煙者が拘束され世間から隔離(刑務所行き)される事態は見なくて済むだろうと考えている。そこで、喫煙習慣についてネットの情報を斜め読みした。アメリカインディアンが儀式に使用(?)していたタバコを西欧社会に紹介したのは、アメリカ大陸を発見(1492年)したコロンブスとされ、日本に伝来したのは1543年のポルトガル船漂着による鉄砲伝来の頃とされている。汽車も自動車も無かった時代にあって、喫煙習慣と葉タバコが西廻りで地球を半周するのに50年しか要しなかった勘定になる。国内の伝播(非喫煙者にとっては汚染・感染か)も驚くほどで、葉タバコ生産によって当時の経済基盤である米の生産が落ちることを憂慮した大名・幕府は幾たびも禁煙令を出したにもかかわらず、赤穂浪士が討ち入った元禄時代(1700年)頃には禁令も出されなくなり、国民生活に密着した嗜好になったとされている。ちなみに、「300年・伝統行事」で検索したところ、いろいろな行事がヒットしたが、その多くは300年もの伝統行事とのフレーズに飾られていた。ん!。300年続くことは誇るべき伝統なのか!、さすれば喫煙習慣は500年にも及ぶ輝かしい伝統として世界文化遺産にも登録されるべきではないのか。ともあれ禁煙の範囲が拡大するのは仕方のないところとあきらめて、隠者の如くひっそりと社会の片隅に逼塞しなければならないご時世なのだろう。時々ではあるが東京での食事会に参加したり、孫の香々見物に随行を命じられる自分としては、人目から隠れる場所が少ない東京行は億劫な時代となるのかもしれない。

 前にも筒井康隆先生の「最後の喫煙者」に描かれているペーソスを書いたが、悲喜劇は現実のものになるのか。”タバコを止めれば”でも”ヤメラレナイ”

 


拳銃奪取防護策強化に疑問

2018年06月27日 | 社会・政治問題

 警官を殺害した犯人が警官から奪った拳銃で行きずり殺人を犯す事件が富山市で起こった。

 例によって、県警からは再発防止策として拳銃を奪われない方策の強化が語られているが強化の方向が違うのでは?との疑問を感じる。警官が所持する拳銃は、凶器を使用する犯罪者を制圧して市民を守るためのものであり、取扱い易いことが重要では無いかと思う。いくら厳重な防護策を講じていても、警官が戦闘能力(抵抗力)を失った後では犯人は時間をかけて拳銃を入手できるのであり、奪取防護の徒な強化は警官の行動を制約して奪取を目論む犯人を利するだけと思う。警官が凶悪犯を制御するためには自身の戦闘能力を維持することが大事であり、そのためには犯行の初期段階で素早く拳銃を使用できる状態で所持することが重要ではないだろうか。報道を基に警官の拳銃発砲に至る手順を想像すると、ホックを外して拳銃を抜き、用心金の暴発防止具を外し、安全装置を解除して発砲という手順であるように思うが、一連の動作には10秒程度は要するもので、防護策が強化されればこの時間は更に長くなることは避けられない。拳銃強奪を企図した犯人にとってはこのアドバンテージは大きく、犯罪成立の公算を高める結果にしかならないと思う。銃器規制の厳しい日本にあっては警官が所持している拳銃が最大の武器供給源であることは理解できるが、それを奪取するためには致命的かつ迅速な反撃が予想されるとの認識を高めることが、拳銃強奪の意図を挫く最大の方策であると思う。

 凶悪犯に対する有効かつ強力な武器(拳銃)に対して、足枷を嵌めるような拳銃強奪防止策の強化は、将に「角を矯めて牛を殺す」もので、警官の拳銃使用を一層困難として犯罪の凶悪化を助長させるものでしかないと思う。2020年対策としても、外国人のテロ対策としても、警官が犯罪の初期において相手を制圧できるように、拳銃は素早く使用できる状態で携行して欲しいと思う。


ご教示に感謝して自省

2018年06月26日 | 社会・政治問題

 昨日の記述中の誤りについて、ハンドルネーム「桜」さんからご教示のコメントを頂きました。コメントは公開させて頂きましたのでご了解を頂きたく存じます。誤りは「日本で難民申請すればか6カ月間の滞留と就労が認められる」としたことで、正しくは「難民認定を申請した日から原則6か月間(延長申請可)の仮滞在許可を受けるが、従来許されていた6か月間経過後の就労は認められなくなった」であります。誤りを訂正させて頂くとともに、ご教示を下さった「桜」さんに感謝申し上げます。

 思えば、本ブログを現在のスタイルに変えてから半年が経ちました。手紙を書こうとして言葉が浮かばなくなった自覚を発端として「ボケ防止」を主眼に始めたことでありましたが、始める前に

1 ささやかでも自分の意見(居酒屋談義の蘊蓄程度)を入れる。

2 できるだけ正確な記述を試みる。

3 文中の個人名には肩書・敬称を付け、事件や疑惑については「推定無罪」の心構えを持つ。

 を念頭としましたが、今回のようにうろ覚えをそのまま書くという失態を犯してしまいました。今後とも、念頭3項を肝に銘じつつ、徒然を綴ってまいりますのでご愛読並びにご教示のほど宜しくお願いいたします 。