もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

バイデン政権とアンティファを学ぶ

2021年01月17日 | アメリカ

 20日にアメリカの59代大統領就任式が行われる。

 大統領に就任するバイデン(ジョセフ・ロビネット・バイデン・ジュニア)氏は既に組閣を完了しているが、顔ぶれはアフリカ系、先住民、ゲイと多彩で、とりわけ女性が過半数を占めるという、将にマイノリティ重視という民主党の特色に沿ったものと云われている。
 今更ながらではあるが、2大政党制の典型とも云われるアメリカの政党について勉強してみた。
 民主・共和両党に党首がいないのみならず綱領すら無い(ただし、共和党:象・赤、民主党:亀・青のシンボルが定着)ことは知られているが、党員になるのも簡単で「選挙を管理する州当局に届けを出すだけで党員とみなされる」となっていた。また「党員の義務や資格審査もない非常にゆるやかなグループである」ともされていたためか有権者の投票も自主的であり、選挙結果も党員の多寡を反映したものでは無いようである。上・下院においても日本のように党議で拘束されることもなく各議員は是々非々の姿勢で投票するために、多数党の提出法案が否決されることも珍しくない。
 現在、保守の共和党、リベラルの民主党と色分けされることが多いが、両党の発足時は真逆であり逆転したのは1960年代とされている。このことを端的に示しているのは、共和党のリンカーンが奴隷を開放し、民主党のケネディが公民権法を成立させたことであるように思っているが、今回バイデン政権が示したマイノリティ重視の閣僚人事も、2040年には白人と非白人数が逆転するという現実に備えた選挙対策で、真のアメリカを目指すものでは無いように思える。
 今回の大統領選で露呈したアメリカ分断は、白人対非白人(マイノリティ)の対立ではなく、トランプ大統領がアンティファをテロ組織に指定しようとする動きさえ見せたようにアメリカ人対アンティファの対立が原因とする意見が多い。そのため、マイノリティ閣僚を乱造して非白人に媚びを売っても分断の解消には結びつかず、かえって白人・非白人の対立を煽る結果にしかならないだろうと観ている。

 アメリカには民主・共和党以外にも実に50近くの政党があり、党員(支持者)登録数も民主党7000万人、共和党6000万人、4200万人余が無所属若しくは第3党(小政党)と多彩であるらしい。小政党の中でも最大規模のリバタリアン党は10万人以上の党員しか持っていないために、時折下院に1名の議員を送り込める程度であるらしいが、過去の大統領選挙人投票では造反した選挙人から同党に投票されたこともあるらしい。
 今回の結論「アメリカには恒常的な主張をする政党は存在せず、時宜・時流に応じた政策を掲げる人間(政党ではない)が勝利するため、不動のアメリカは無い」と云うもので、「不動の日米関係もまた存在しない」に尽きると思う。