中国から植物の種が送り付けられていることが報じられた。
送り付けは1週間ほど前にアメリカで、日本でも本朝のニュースで、それぞれ報じられ、アメリカでは既に全州に及んでいるとされる。発送元は「中国郵政」と印字されているが、中国政府は「中国郵政」の文字は偽造で、郵便物を回収して調査するとしている。アメリカから報じられたところでは、送り付けられた植物の種はキャベツやアサガオなど14種とされているが、日本の植物学者は完全な特定は困難であるとしている。海外旅行が一般的となって動植物の持ち込みが許可されないことは概ね定着しているようであるが、それでも入国時に没収される事案が多いとされている。また、植物防疫法や食品衛生法に通暁しているであろう輸入業者についても、月間数十件の違反があるとされている。国際的にも、輸出国の政府機関による検査証明書がある物や研究目的以外は、植物(種を含む)の輸出入は禁止されているらしい。日本における植物防疫の機構について調べると、横浜・名古屋・神戸・門司植物防疫所と那覇植物防疫事務所の下に、指定くん蒸倉庫(20箇所)、木材消毒実施区域(5か所)、麦角菌核混入穀類等加工消毒工場(5か所)、コーンスターチ加工消毒工場、アメリカ合衆国産ばれいしょ生塊茎加熱加工処理施設等で水際防除に努めているとされていた。日本の固有種を保護するために、16種の植物を特定外来種に指定して防除に努めているが、防護の網を潜り抜けた物や鑑賞用として輸入許可された物が異常繁殖して、固有種の生育環境を壊したり景観を損なうケースも度々報道されている。セイタカアワダチ草が日本国中に繁茂し、日本タンポポや菫の多くが外来種に置き換わっているのは周知のとおりである。何故に「種の送り付け」が起きたのだろうか。TVのコメンテーターの方々は詐欺の可能性が高く、電話番号に誘導して高額請求、ブラッシング詐欺、個人情報の入手などが目的ではないだろうかと述べているが、郵便料金だけでも相当な額になると思われるので、利口な詐欺師が種の送り付けで利益を生み出せると考えていないようにも思えるが、果たして。
ネット記事を見る途中で2020年は「国際植物防疫年」であることを知った。読み物風の推測であるが、謎の種を送り付けられた人々のTikTokアプリ利用の相関を調べたら、案外の結果が出てくるのではないだろうか。「国際植物防疫年」を狙って混乱と疑心暗議を起こし、あわよくば遺伝子操作で繁殖力を強化した中国原産植物を繁茂させて景観の中国化を図る試み。まさかそんなことはないだろうが。