もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

防衛大臣の記者会見と中日新聞

2020年08月07日 | 報道

 8月4日の河野防衛相の記者会見が世情を賑わしている。

 会見で、東京新聞の記者(上野実輝彦氏、以下「上野記者」)は、自民党の国防部会が敵基地攻撃能力をソフトに言い換えた「相手国の領域でのミサイル阻止能力整備」を政府に提言したことに対して、周辺国(中国と韓国を例挙)の同意を得られるか否かと質した。防衛相は、中‣韓に同意を得る必要はないとヤャ気色ばんで正論を述べたが、上野記者には質問の真意を確かめたいものである。ネットの反応を眺めると、流石に上野記者を擁護する意見は見当たらず、作家の門田隆将氏が「日本人の命より中国が大切な"内なる敵"が正体を現した貴重な場面」と述べていることに集約された感がある。菅官房長官の会見で的外れな長広舌を振るった望月衣塑子記者で脚光を浴びた東京新聞であるが、望月記者も本来は中日新聞の所属であり、東京新聞は中日新聞の地方版に位置している。2019年の日刊新聞ランキングでは、中日新聞は226万部(第5位)であるが、傘下の東京新聞(13位:45万部)、北陸中日新聞(46位:9万部)を併せると、280万部となり250万部の毎日新聞を抜いて読売・朝日に次ぐ第3位の発行部数となる。このように3大紙に互した影響力を持つ中日新聞であるが、望月記者は共産党のシンポジュームで講演する等、もはや共産党オルグの姿を隠そうともしていないし、ここに来て上野記者まで登場したことを見ると、中日新聞自体が中国共産党中央宣伝部(中国共産党中央委員会に直属して共産党の思想や路線の宣伝、教育、啓蒙を担当するプロパガンダ機関)の下部組織となっている感がある。自国の軍備について周辺国に徒な脅威を与える必要は無いが、防衛対象国(仮想敵国)の同意を得る必要などないことは自明の理であるが、これまで外交や安全保障について大東亜戦争の贖罪を込めて近隣諸国に配慮し続けた悪しき伝統が、何時しか言論界を含めた知識層の常識となったものであろうか。上野記者が防衛相の会見に参加していることを考えれば、世界の軍事情勢や中国の脅威についての知識は常人以上に持っていると思うので、質問に名を借りて世論のミスリードを企図した発言と感じざるを得ない。中国が、自国の防衛には全く影響しない韓国のTHAAD配備について観光客の渡航制限などの対抗処置を取ったのは、自国の攻撃力(恫喝力)が低下することを恐れたためであり、裏返せばTHAADが韓国防衛に有効であることを示している。同様に中国が日本の敵基地攻撃能力整備に反発するならば、それは敵基地攻撃能力保有が中国に対して有効な手段であると考えるべきである。

 愛知県の大村知事は報道の不自由展を強行した。2007年の日本シリーズ第5戦で、中日ドラゴンズの落合監督は目先の1勝を得るために、前人未到の日本シリーズにおける完全試合目前だった山井大介投手を岩瀬投手に交代させた。味噌文化に代表されるように、大方の常識を覆すことをアイデンティティとする愛知県人気質は、中国共産党にとってはまたとない標的なのだろうか。ドラゴンズ嫌いが中日新聞・大村知事・愛知県民にまで及んだことを御詫びして終幕。