ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

ゼロ時間の謎

2008年10月04日 | 映画レビュー
 謎解き以外の部分が全然面白くないというのが最大の欠点。

 メルヴィルくん、ちょっとイメージが変わりましたね。「ぼくを葬る」のときのほうがよかったわ。

 アガサ・クリスティ原作なのになぜかフランス映画。そこが違和感のあるところだけれど、この映画はフランス映画というよりイギリスの雰囲気がぷんぷんする。そう考えるとやはりイギリスもの。 

 大金持ちの遺産狙いの殺人事件、というからにはその遺産をめぐる人物たちのドロドロ造形が面白くなくては意味がない。しかし、この作品ではその人物たちのキャラクターになんの魅力もない。悪人も善人もまったくキャラが立っていないし、若く美しい新妻というのがまったく美しくもなければ品もなく、また捨てられた前妻というのも謎めいた美女のはずのキャラクターにいまいち説得力がない。

 よって、唯一の興味は謎解きのみ。これがまあ、だまされたと思うかどうかは人それぞれだけれど、謎じたいはそれなりに面白いかもしれないが、解いていく過程にスリルがない。探偵役の影が薄いというのも問題だろう。

 何よりもわたしにとって最大の不満はメルヴィルくんがあんまり魅力的でなかったこと。というわけで、二度見る気は起こらないけど、そこそこ悪くはない作品。(レンタルDVD)

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ゼロ時間の謎
'HEURE ZERO
フランス、2007年、上映時間 108分
監督: パスカル・トマ、製作: ユベール・ワトリネ、ベルナデット・ザンク 、原作: アガサ・クリスティ『ゼロ時間へ』、脚本: フランソワ・カヴィリオーリほか、音楽: ラインハルト・ワーグナー
出演: メルヴィル・プポー、キアラ・マストロヤンニ、ローラ・スメット、ダニエル・ダリュー、カミーラ・トレシリアン、アレサンドラ・マルティネス、フランソワ・モレル

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