ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

ボーイズ・オン・ザ・サイド

2007年12月29日 | 映画レビュー
 楽しげでお気楽なロード・ムービーかと思えば、さにありなん。女3人、それぞれが困難や大問題や不治の病を抱えて生きているのだ。偶然にも3人で西海岸を目指すことになった3人だったけれど、ロードムービーのはずが途中下車して定住してしまう。そ、つまりこの映画はやっぱりお気楽なロードムービーではなく、困難を抱えながらも前向きに生きていく女の一生懸命な姿を描く真面目な作品だったのだ。

 ゲイの黒人女性ウーピー・ゴールドバーグと殺人犯の可愛いドリュー・バリモア、不治の病に罹っているメアリー=ルイーズ・パーカー、とそれぞれが非常に個性的。途中までは全然先の見えない展開で、あれよあれよという間に過ぎていった。 

 女3人といえば最も友情が成立しにくい組み合わせだが、この映画では3人の友情が成り立つのは彼女達の個性が際立って強いからかもしれない。その個性はぶつかりあって諍いも起こるのだが、結局は愛し合う気持ちのほうが勝つ。諍いの原因が決して悪気ではなく互いへの気遣いのすれ違いだったり些細な軽率さだったりするところはとてもリアルだ。こういうことはまさに「あるある」と納得してしまう。こういうリアルな描写とともに、とても「あるある」とは思えないような面白可笑しいドリュー・バリモアとマシュー・マコノヒーのカップルが描かれるので、映画全体が暗くなりすぎもせず軽く飛び跳ねすぎもしない。

 最後は切なくて悲しいけれど、こうして人はすれ違い傷つけあいそれでもやっぱり愛し合って生き死んでいくのだとしみじみする。(レンタルDVD)

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BOYS ON THE SIDE
アメリカ、1995年、上映時間 117分
監督: ハーバート・ロス、製作: アーノン・ミルチャンほか、脚本: ドン・ルース、音楽: デヴィッド・ニューマン
出演: ウーピー・ゴールドバーグ、メアリー=ルイーズ・パーカー、ドリュー・バリモア、ビリー・ワース、マシュー・マコノヒー

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