ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

カフカ 田舎医者

2008年01月06日 | 映画レビュー
 今年初めて映画館で見た映画はこれ。梅田ガーデンシネマで3本連続見た1本目は奇才アニメーターの評判作です。


人間国宝である狂言師・茂山千作ら茂山一家が声優を務めているだけあって、語りは独特の口調とリズムがあり、面白い。芥川賞作家の金原ひとみも声優としてキャスティングするユニークさ。

 上映された短編アニメは全部で5本。不気味シュールな「頭山(あたまやま)」を見て感心し、「年をとった鰐」の含蓄深い哲学にも感動し、「こどもの形而上学」でアニメ作家山村浩二の想像力にぶったまげ、「校長先生とクジラ」も「お、なかなか」と思ったのだけれど(グリーンピースのロゴが出てきたときは「え?マジ? 冗談?」と暫く考え込みましたが、マジです)、こ、これはいかん! 肝心の「田舎医者」を寝倒してしまった。手書きアニメは画面の揺れがひどい。それがまた味があっていいのだけれど、これが何分も続くと目が疲れて頭が痛くなってくる。よって、「田舎医者」が始まったときには疲れてしまってまたまた爆睡。あー、これは惜しいことをした。DVDが出たらちゃんと見直すことにする。原作は大昔に読んだはずだけれど、まったく記憶に残っていないのでこれも読み直してみたい。

 でも、「こどもの形而上学」を見ただけでじゅうぶん元はとったという満足感がある。アニメでなければできない、それもこの手書きの線の細く尖った絵柄でないと表現できないものすごくシュールなだまし絵のような作品にはびっくりした。

 オタワ国際アニメーション映画祭グランプリ受賞だそうで。まったく寝てしまうなんて惜しいことしてオッタワ!

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日本、2007年、上映時間 21分
監督・脚本: 山村浩二、原作: フランツ・カフカ
声の出演: 茂山千作、茂山七五三、茂山茂、茂山逸平、茂山童司、金原ひとみ

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2 コメント

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愛蔵ビデオ (ひろぼう)
2008-01-07 20:30:17
独特の画風で独自の思いを追求する山村浩二は、私も大好きな作家です。NHK教育番組で放映していたクレイ(粘土)アニメが面白くて、子供と繰り返し観てまして、それは我が家の愛蔵ビデオとなっております。本作のDVDが発売されたら、愛蔵版が1枚増えそうです。
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Unknown (ピピ)
2008-01-08 20:30:08
ひろぼうさんのお宅は子どもさんがまだ小さいのでしょうか。粘土アニメはわたしも好きでした。懐かしいなぁ。CGでは絶対に味わえないようなぎこちなさが好きです。
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