ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

鉄コン筋クリート

2007年10月28日 | 映画レビュー
 お正月にNさん母娘と一緒に鑑賞。何がが言いたいのかさっぱりわからなかったけれど、映像の爆発力はすごい。アニメはもう行くところまで行ったね。


 既視感の強いアニメだと思っていたら、案の定「MIND GAME マインド・ゲーム 」を制作したSTUDIO 4℃が担当していた。「ベルヴィル・ランデブー」にも似ていると直観したが、やはり「ベルヴィル」の影響を受けているという。ということは、とんがった画風の、好き嫌いがはっきり分かれそうな絵だということだ。背景の細密画ぶりには文句のつけようもなく、夢の場面のイメージの縦横無尽さも見事。何より導入部がよかった。孤児シロの瞳の大アップから入ってすっと画面が切り替わるあたりは、アニメらしい。とにかく全編アニメらしい作品で、絵には文句なし。シロとクロという孤児たちの超人的パワーと身体能力はアニメならではの表現力に支えられているし、「宝町」という、どこかで見たようなしかし決してどこにも存在しない街並にも懐かしさがこみあげる。

 ストーリーは、宝町を支配するヤクザがこの町を地上げして遊園地を作ろうとしている、その利権がらみの話にクロとシロという浮浪児が立ち向かい、そこに警察が介入して、というヤクザ暴力アクションもの。と書いてしまうと違うなぁ~と思う。映画の途中でちょっと寝てしまったのでよくわからない部分もあるのだけれど、ヤクザがヒットマンを放ったり、警察が浮浪児であるシロをかくまったりといったお話で、やたら暴力が横溢する世界なので、暴力シーンが延々続くとわたしは疲れて眠くなってしまった。

 はぐれ者達が主役となる物語の中では警察が心優しい正義の味方であり、権力や体制から逸脱している存在であるはずのシロという不思議な少年を警官たちが暖かく見守るという逆転現象が起きる。しかし、そこはそれ、シロは決して権力に飼い慣らされたりしない。

 しかしこれ、やはりわたしにはよくわからない。ストーリーを追ってもよくわからないし、そこを無視して感覚的に感じるままに我が身を委ねてもやっぱりわからない。制作者たちの意図がどこにあるのか、それを読もうとしたのだが、やっぱり理解不能。任侠映画のようでもあり、そうでもなさそうであり…。でも、映像には間違いなく力があったので、よしとします(^^;)。

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日本、2006年、上映時間 111分
監督: マイケル・アリアス、アニメーション制作: STUDIO4℃、原作: 松本大洋、脚本: アンソニー・ワイントラーブ、音楽: Plaid
声の出演: 二宮和也、蒼井優、伊勢谷友介、宮藤官九郎、大森南朋、岡田義徳

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2 コメント

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ダークサイドの誘惑 (ひろぼう)
2007-11-18 15:13:14
観賞しました。
「スターウォーズ」の「アナキン」の苦悩と似たようなものと感じましたが、如何でしょうか?
終盤の「イタチ」との遣り取りが、『ダークサイドの無限のパワーを見よ~』って感じでした。
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すみません (ピピ)
2007-11-18 23:57:59
 これ、正月に見た映画で、もう既にほとんどストーリーは忘れています。アナキンの苦悩と言われればそうかもしれない…と思いますが、よくわかりません。恐らくわたしなんかより若い方がご覧になったらずっとよくわかる映画なんでしょうね。

 なるほど、ダークサイドのパワーですか、そういう見方もあるのですね、教えていただいてありがとうございます。
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