ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

釜炒り茶って何?

2021年08月12日 | イベント


7月、大好評をいただきました宮崎・熊本の和紅茶特集。
ご紹介したのは宮崎県の宮崎茶房と五ケ瀬緑製茶、熊本県の岩永製茶園の3茶園。
みなさん無農薬、有機栽培でお茶作りに取り組んでいらっしゃいます。
今回は紅茶の特集でしたが、みなさんお茶作りのベースは『釜炒り茶』です。
釜炒り茶、知らない方も多いでしょう。
それもそのはず、全国の煎茶生産量に占める釜炒り茶の割合はおよそ1%!
とっても希少なお茶なのです。

お茶作りを簡単に説明すると、
茶畑で摘まれたお茶の葉に含まれる酵素は、しばらく生きています。
その活動を止めるために、熱の力を利用します(=殺青)。
殺青には2通りの方法、蒸すか、炒めるかがあり、それぞれ味わい、香り、色の異なるお茶が出来ます。
日本の場合、多くの緑茶は蒸すことで酵素の働きを失活させます(=蒸製)。
釜炒り茶は、釜で炒ることで酵素を失活させます(=炒製)。
中国の緑茶は、ほとんどが炒製です。。。
と聞いて、ピ〜ンときた方は鋭いです。
そう、中国から伝来した煎茶の製造方法は、炒製です。
しかし、日本の食文化、好みに合わせるように、蒸製のお茶が主流になっていきます。
ということで、炒製のお茶の製造は、実は蒸製よりも歴史が古いのです。
伝来の時期は諸説ありますが、15〜16世紀初頭説が有力です。
ちなみに、蒸し製の煎茶の製造は永谷宗円(永谷園始祖)が18世紀に発見したと言われています。

釜炒り茶はすっきり、爽やかな風味、黄金色の水色(すいしょく、浸出したお茶の色)、釜香(かまか)と呼ばれる香ばしい香りが特徴です。
花のような香りを纏わせるために、摘んでから殺青までの間に「萎凋(いちょう)」と呼ばれる工程を挟むこともあります。
いわゆる甘味、旨味とは違う、颯爽とした味わいが魅力です。

ということで、釜炒り茶について、少し興味を持っていただけたでしょうか?
これから、3回にわけて、今回の特集でフューチャーしたお茶農家さんをご紹介いたします。
数々の受賞歴を持ち、第一線で活躍されている方々がどうやってお茶作りに取り組まれているか。
美しい茶畑の風景と合わせて、お楽しみいただければ幸いです。






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