さくら ・・・ 「おかあさん、きょう なんようび？」

私には、子供が一人しか 授からなかったので、娘は 一人っ娘です。
娘を育てながら この子は 一人っ娘だから“甘やかせてはいけない”と 何時も思っていたのですが、 私の目は たった一人の子供しか 見えないし、気持ちは その子の事ばかりです。

でも、主人の妹の子供 「さくら」が生まれて、よく うちで遊ぶようになりました。
ちょうど 娘が四歳半 さくらが一歳半の時、妹夫婦が 店を出す事になり しばらく さくらを預かる事になりました。

娘は保育園に通っており、さくらは 夕方から預かります。

さくらは、ちょうど可愛いい 盛りで ヨチヨチと愛苦しく、私も、娘も妹のように可愛いがりました。

保育園に娘を迎えに行き、自転車の前に乗せて、買い物に行きます。
おやつの時間に貰ったお菓子を、いつも さくらのために 少し残して持っていました。買い物の時は さくらのおやつも必ず選びます。
一人っ娘の 娘が こんな事をして、私は本当に嬉しかったです。
ところが私は さくらを 可愛いがり過ぎたようです

いつもケンカをしても、おもちゃの取り合いをしても、お姉ちゃんだからと いつも 叱っていましたし、
小さな さくらをいつもだっこして 夜は、ママ ママと泣くので抱いて寝ていましたし。

ある日 保育園の帰りに 自転車の前に乗った娘が 「おかあさん、きょう なんようび？」 と ききました。「きょうは 金曜日」・・・黙っています。
それから毎日自転車の前に乗って 走り出したら、「おかあさん、きょう なんようび？」と ききます。
私は 暫く気が付きませんでした。

「きょうは 木曜日」と いった日に、口には出さないけれど 凄く喜んでいるのが 分かりました
買い物でも何だかはしゃいでいます。

木曜日はさくらの店が お休みで さくらを預からなくてもよいのです

娘は、その日が待ちどおしかったのです。お母さんを一人じめ出来るです！

だから 毎日 「おかあさん、きょう なんようび？」 ときいていたのです。


娘が 五歳になった時、保育園をやめて インターナショナル スクールに入れました。英語しか話してはいけない学校で、初めは 苦労をしたようです。
娘が七歳の時 さくらも同じ学校に入りました
娘が学校にも連れて行き 本当の 姉妹の様に育ちました。

入学したてのさくらは、娘の授業中 娘の見えるガラス窓に へばりついて泣いていた事もありました。

十一歳と十三歳半で一年間 イギリスの学校の寮に入った時も、二人は 力を合わせて 寂しさと 辛さを 乗り越えました。

私は本当に さくらが居てくれる事に感謝します。

一人っ子の娘 慶子をいつも「慶子ねえちゃん、慶子ねえちゃん」と 慕って、本当の姉妹 以上に仲良しです
何の遠慮もなく よくケンカもし、支えあっている二人を
いつまでも、そうあって欲しいと願っています。


今、さくらは 青年ボランティアで 「コスタリカ」へ 行っています。
今年の九月から 二年間です。

その間に、慶子ねえちゃんが コスタリカに来てくれるのを心待ちに しています。