画燈樹

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「配給でもらった ワンピース」

2012-04-23 20:19:19 | Weblog
私が小さい頃、お米はもちろん いろいろな物は 配給で貰うことになっていて、 各 所帯に合わせて 貰う分量も決まっていました。


私が四才頃の ある日、洋服が貰えるというので 誰かにつれられて出かけました。

姉なのか 母なのか 覚えていません。


長い列に並んで、順番を待ちました。

とても暑かったような 気がします。

でもその頃の子供は そのような時 ぐずったりはしなかったようです。

物が貰える方が 嬉しかったからでしょう。

やっと順番が来て、
その子の年齢や体格にあわせて お手伝いの人が 選んでくれます。


私がもらったのは、ワンピースです。
それ以外にも 何か他にもらったかどうかは 記憶にありません。

とても可愛い ワンピースでした。

モスグリーンのちょうちん袖のついたワンピースで 小さな襟もついていました。

胸に切り替えがあって、ギャザーが入っていました。

そのギャザーの上に、オレンジ色と 薄い緑のクロステッチの刺繍が入っていました。


大好きなワンピースで、嬉しくて 嬉しくて 踊るようにして家にかえりました。


そのワンピースが もう小さくなって とうに着られなくなっても ず~とタンスにしまってました。

時々 取り出して どんな女の子が着ていたのかと思い、大切に残しておきました。

それなのに、いつの間にか どこかへ いってしまいました。

でも 私の心の中には、今も大切にしまってあります。

忘れることの出来ない 大好きな ワンピースです。
そして時々 心の中から出してきて、その服を着ていたアメリカの女の子と 小さな 自分をだぶらせて 思い出していました。

後で思うと、アメリカの家庭から送られていたようです。

現在 私達が 災害や 戦争で被災した国々に 物資を送るような ものでしょう!



今も、どこかの国で 日本の子供の服を 喜んで 着ている子供がいるかも知れません。


長い年月がたっても、同じ事が繰り返されているのだ と思うと 悲しい気持ちになります。



とっくの昔に どこかへ行ってしまった物でも、 決して 無くなってしまわない物て あるんですね。