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何を見て、何を感じるのか。

2004年12月19日 | 映画
【ヴェロニカ・ゲリン】
日常世界は非常に狭い。
すぐそばにあるのに、一生係わりのない世界もある。
情報だけは入ってくるけど、関係ない、
もしくは係わりたくない世界。

麻薬に汚染されたアイルランドの街。
一人の女性記者がその現実を知らしめるため、
脅しに負けず麻薬組織の記事を発表し続ける。
実話に基づいた映画だ。
道路に注射器が落ちていたり、
それで子供が遊んでいる世界はショッキングだ。
ただ、実際の事件を僕は知らないのでなんともいえないが、
事態の改善が女性記者の殉職によってなされるというところが残念だ。
実際、事態が急展開するのは亡くなった後であり、
それを知らずに見ていると、どんな記事を書いて、
どんな効果があったのかわかり難く、無謀な行為にしか見えない。
まぁ、ハッピーエンドかどうかの違いがあるから仕方ないけど、
同じ実在の女性の話なら【エリン・ブロコビッチ】の方が、
エンターテイメントとしては面白い。
ただ、そういう記者がいたという事実、アイルランドの現実、
それを世界に知らせるという意味ではすばらしいと思う。

しかし、ケイト・ブランショットははまり役で、
凛とした雰囲気、意志の強い目、時々見せるキュートな振る舞い。
この映画独特の色合いとあいまって強烈な印象を残した。