それにしても人の少ない山だ。登山口は林道を10km以上登った先に
あるのだが、その先は久しく通行止めとなっていて、アクセスが悪いせいもあるのだろう。
また、登山口からはゆっくり登っても1時間少々で頂上に着いてしまう。
登山に慣れた人たちには物足りなく感じるのかもしれない。そういったことが
登山者の少ない理由となっていると思われる。そのおかげで今まで静かな登山を
楽しむことが出来た。
そんなひっそりとした山なのだが、この日は平日にもかかわらず山行4時間のうちに、
二組6名の登山者に出会った。しかも私の苦手とする所構わず声高に喋りながら
登山するハイカーだった。ネットの影響だろうか、今までは殆ど単独行のハイカーが多く
静かな山行が出来たのだが、どうやら変わりつつあるらしい。
出来るだけ静かな山であってほしいと思うので、
この山に関しては今後は名前を伏せることをお許し願いたい。
頂上直下は夏の盛りにはお花畑となっていて、たくさんの蝶たちに会うことが出来る。
まずは渡りチョウとして知られるアサギマダラ。
アサギマダラはタテハチョウ科マダラチョウの仲間で、成虫は5~10月くらいまで見ることが出来る。
大型のチョウで街中でよく見られるナミアゲハより一回り以上大きい。
大きな体でゆったりと飛び回る。
食草はガガイモ科の花(ガガイモ、イケマ、キジョラン等)。大きくなってからは
ヒヨドリバナに蜜を吸いに来ることが多い。
雌雄とも同じように見えるが、後ろ羽に黒い部分があるのが♂。
下の写真では左側が♂、右は♀となる。
この時は♀の方が強かったようで♂を追い払ってしまった。
この日、この草原では10数頭以上のアサギマダラが蜜を求めて優雅に舞っていた。
クジャクチョウは山地や高原で見かけることの多いチョウ。
名前の由来は表翅の眼状紋がクジャクに似ていることから。
こういった紋様は天敵である鳥を驚かすものと言われるが、効果はあるのだろうか。
派手やかな表面とは別に裏面は黒褐色で地味。
アサギマダラと同じタテハチョウ科に属する。大きさは半分ほどしかない。
キアゲハとのツーショット。
小さい方のクジャクチョウの方が縄張り争いに勝ったようだ。
マルハナバチとは種の違いからか争わなかった。異種共存というところか。
こちらはヒョウモンチョウ。
ヒョウモンチョウには似たような仲間がいろいろいるのだが、採集をしない
私には細かいことは分からない。
大きさはクジャクチョウとほぼ同じ。
ヒョウモンチョウの仲間は夏眠(暑い夏の間休眠する)後、産卵をする。
開けた草原でよく見かけるキアゲハ
レンズの気配に気づいたようでちらっとこちらを見たが、
逃げようとはせず夢中で蜜を吸っていた。
右のセセリチョウと比べると大きさがよくわかる。
翅のまだら模様がきれいなアカタテハ。
お終いはジャノメチョウとセセリチョウ
それにしても蝶にはマルバタケブキやキオン等の黄色い花が良く映える。
昼少し前のひと時、一時間以上蝶を追って忘我の時を過ごした……。
この辺で。