中島みゆきの「永久欠番」という歌を聞いたことがあるだろうか。
今ではずいぶん昔になるが、初めて聞いたときは心に衝撃が走った。
歌詞の一部はこんな感じだ。
「どんな立場の人であろうと 何時かはこの世におさらばする
確かに順序にルールはあるけど ルールには必ず反則もある
街は回ってゆく 人ひとり消えた日も
何も変わる様子もなく、忙しく忙しく先へと
百年前も百年後も私がいないことでは同じ
同じことなのに生きていたことが
帳消しになるかと思えば淋しい …… 」
なるほど、今この世界で生きているほとんどの人が百年前には生まれていなかった。
そしてその人たちも百年後にはほとんど生きてはいないのだろう。この地球という舞台では
我々はほんの仮初めの通過者にすぎないのだ。決して戻ってくることのない……。
白土三平の創ったヒーロー影丸がかってこう言ったように
「われらは遠くからきた。そして、遠くまでいくのだ………」
原始より命のリレーは絶えることなく続けられてきた。
我々の一生はそうした大きな流れの中の一齣にすぎないのだろうか。
雨の中、近所の公園を歩いてきた。今日は日曜日、いつもは
たくさんの家族連れでにぎわう公園も、閑散としていて変に気持ちが良い。
雨に濡れたキツリフネの花も妙に気怠い。
特有の香りを放ち、虫を集めるクサギの花。この雨では
客の虫たちは寄るはずもなく開店休業だ。
これはナンキンハゼの実。秋になると紅葉した葉に白い実をつける。
ヤブミョウガも花をつけていた。この花はもう少しすると、実をつけながら
同時に花も咲かす。
この時期は夏の花と秋の花が入り混じる季節
独特の形のハグロソウ
メハジキの花
この花は、幸せの青い蜂「ルリモンハナバチ」が集まる花でもある。
秋の七草のひとつ オミナエシ
これも秋の七草 キキョウ
ハーブ園の一角ではトケイソウの花。まぁ、3つの蕊が時針、分針、秒針と見えなくもない。
林の一角に群生していたのはナツズイセン。ヒガンバナの仲間だが、
花期が早く、ヒガンバナほど多くは見られない。
私の近所では、8月になるとナツズイセン→キツネノカミソリ→ヒガンバナの順に咲いていく。
一輪だけ咲き始めたタマアジサイ
ハナイカダの実。二つ付いているのはちょっと珍しい。
雨の中、虫たちの姿を探してみた。
雨宿り中のキイトトンボ
アカトンボはこの公園で10種類見られると、トンボ好きのおじさんが話してくれた。
ジャノメチョウ
オオフキコガネ
桜の幹には仲良しのニイニイゼミが止まっている。
小雨はやまない。ずっと静かに降り続いている。
スイレン池までやってきた。
水草の中に咲き始めたサギソウを見つけた。
近寄るのはこれが限界。
池の中ではカメと金魚とアメンボが元気そうに泳いでいた。
その後ろから餌がもらえると勘違いした鯉が大きな顔を覗かせた、
今日は静かな散歩を楽しむことが出来た。 この辺で。