野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

標高831mの雲海

2018-11-02 08:25:33 | 散歩

 久しぶりに奥多摩の御岳山に登ってきた。登ったといっても、車で着いたあとは

ケーブルカーなので登山とはとても言えない。麓の登山駅に着いたのは

8時半ごろ。未明からの雨は上がったが、青空は全く見えない。

 ところが、ケーブルカーに乗っている僅か5,6分足らずの間に杉並木の

間から急に日が差し込んできて、頂上駅に着いたらすっかり晴れ上がっていた。

 

 麓とは打って変わった標高831mの頂上駅広場

 

 どうやら曇りだと思っていたのは厚い霧の中だったようだ。展望台の近くに行ってみる。

 なんと眼下には一面の雲海が広がっているではないか!

 

 右手に見えるのが日の出山、左手の地平線あたりは東京都心になる。雲がなければ

新宿の高層ビル街が望めるはずだ。

 

 100mmの望遠で撮ると山の斜面を雲が上がっていく様子が見える。

 

 近くの紅葉も入れて

 

 余りの絶景に暫し見入っていたのだが、そうなると欲が出てきてもう少し待ったら

雲の上に高層ビルやスカイツリーが浮かぶのではないかと思い始めた。近くの看板では

どうやら矢印付近にスカイツリーが見えるらしい。

 

 15分ぐらい粘ったが、雲は晴れるどころかだんだん山の方に上がって

来たので残念ながら諦めた。もう一時間ほど早かったら見られたかもしれないのだが……。

 

 気を取り直して御岳神社方面に向かう。

 

 一部だがきれいな紅葉が始まっていた。

 

 

富士峰園地の紅葉

 

 

 

 

 

御嶽神社の随身門のところまで登ってきた。

 

 この頃になると下界にあったガスが周囲まで上がってきた。

 

 ツタウルシが真っ赤に染まっている。

 

 黄葉もまた美しい。

 

 

 登り来ったところが武蔵御嶽神社。最近はパワースポットとして女性の参拝客が

増えているそうだ。

 

 お参りはそこそこに少し下山してロックガーデンへと向かう。

足元にはヤクシソウやセキヤノアキチョウジの花が見られた。

 

 

イチョウやカエデに負けじと、ツルリンドウも赤く実を染めている。

 

 フユノハナワラビ

 

 長尾平の脇を渓底に向かってひたすら降りていく

 

天狗岩

 

 期待していた紅葉はまだまだこれからといったところだが、その分人気は少なく

静かな散策を楽しむことができる。

 

 30分ほど渓谷沿いに進むと特有の香りとともに桂の大木が見えてきた。

 樹齢300年、樹高38mのお浜の桂。通読したことはないのだが、嘗てのベストセラー

中里介山の「大菩薩峠」に登場するらしい。

 

 すぐそばには綾広の滝がある、この滝は滝行にも使われるとのこと。

 

 滝の真下から

 

 この先の休憩所で折り返し、ケーブルカー駅まで戻った。帰り道は大岳山への

老若男女の大勢のハイカーとすれ違った。ずいぶんと賑やかだった。

 

 陽の光を懸命に浴びていたバッタが無性に愛おしかった。

 

 この辺で。