Friends of Valves 自作真空管アンプ

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E130Lパワーアンプの製作(1)

2024-09-07 20:27:59 | E130Lパワーアンプ

さて、恒例の11月の小野市でのレコードコンサートではどんなアンプにしようか・・・と常日頃考えているのですが、いつもシングルアンプなので、たまにはプッシュプルはどうかなと頭によぎりましたが、今時、真空管を4本そろえるのは結構大変です。それこそ不人気な水平偏向管で作るのはどうかなあ、しかし、低電圧大電流が基本だしなあ、と色々思いを巡らせていたところ、そういえば低電圧大電流管がいくつかあったなと思い出しました。

一応オーディオ用の球ですが、水平偏向管から派生したのではないかと思える球で、E130LやE235Lという球が手元にありました。

下記のような球になります。

両方とも高信頼管です。E235Lは、それこそ水平偏向管のEL36(6CM5)のトッププレートを廃止しオーディオ用としたもののようです。なお、EL36の高信頼管としてトッププレートがあるE236Lという球もあるようです。

E235Lの主な規格は、下記のようなものになります。

  • ヒータ規格  6.3V-1.2 A
  • プレートロス 15W
  • gm      14,000μS

一方のE130Lは、同じく高信頼管でオーディオ用の球であり、大きさはE235Lの倍くらいはあるサイズとなります。この球の主な規格は下記となります。

  • ヒータ規格  6.3V-1.7 A
  • プレートロス 27.5W
  • gm       27,500μS

比較するとヒータこそ倍ではないものの、プレートロスもほぼ倍、gmもほぼ倍になっているので、rpも約半分になっているものと考えられます。つまりE130Lは、E235Lのほぼパラ接続した規模(つまり倍)の球ということになると思います。

作りの方をみていくと、E130Lはトッププレートの違いはありますが、大きな特徴としては、やはり熱対策にあるようです。

上記写真のように、E235Lは矩形ののっぺりとしたプレートとコントロールグリッド(G1)に小さなフィンがあるのみですが、E130Lは、巨大なプレートの溶接部分に羽が2枚付いているのとさらにプレートの支柱にもフィンが付いています。また、極太のコントロールグリッドの支柱に巨大なフィンが付いており、よく見るとその次のグリッド(スクリーングリッド:G2)はG1よりも極太(見た目3㎜程の直径)の支柱で造られています。

この様子を写真に示します。

この構造は、少しでも熱を外部に放射するのと、振動にも耐えうるように製作されたものと思われますが、いったいどんな用途に使用されたのでしょうか。軍用か工業用の何かかと思いますが、戦闘機などで使用されたのでしょうか。

E130Lで簡単にロードラインを引いてみました。

一応プッシュプルで5kΩの負荷(単管当たり1.25kΩ)になります。プレート電圧とスクリーン電圧をそれぞれ150Vとし、A級動作とし、あまり電流を流さないパターン(プレート電流100mA)としてみました。と、ここまで描いてみたところで、プッシュプルの出力、とりわけA級ってどう計算するのだったか・・・久しぶりなので忘れてしまった。

シングルの2倍だったっけ。しばらくぶりなので少し勉強が必要なようです。

 


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