Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

電源トランスの再塗装

2022-05-29 18:01:28 | トランス

先日落札したアンプから取り外した電源トランスをレストアしました。レストアといっても、巻線を触ったりするわけではなく、単に錆びたカバーやコアの表面の錆を落として色を塗りなおすだけです。

塗り直しを行うトランスはLUXのものになります。下記写真のものなのですが、要はよくあるLUXの小型のアンプ向けのものです。

早速ネジを外してカバーを取り外します。そしてエンブレムも外します。

エンブレムは中々外れない場合、精密ドライバーの小さいマイナスドライバーや、カッターナイフでエンブレムのエッジ部分を持ち上げるようにして剝がします。この際は手を切らないように、また、エンブレムはアルミで柔らかいので、折り曲げたり、とがった部分でへこませたりしないように慎重に剥がします。

では早速、錆落としになります。写真の通りもうさびさびなので、このさびを落とさないと再塗装してもきれいになりません。サンダーに200番前後の紙やすりをつけて大胆にこすっていきます。

側面はサンダーでは難しく、紙やすりを手でこすり塗装や錆を剥いでいきます。とりあえず、1個完了。

続けて残りのものの錆落としをやります。完了したのが下記。結構大変ですが、LUXのトランスはまだ楽です。タンゴや山水のEI型のトランスカバーは、端がプレスされて溝があったり、縁が折曲がっているのでもう少し手間がかかります。

コアの部分も表面に錆が付いているので落とします。軽くサンダーでこすってやるとすぐに取れますので、コアの部分はらくちん。ただし、事前にラグ端子部分は、錆の粉や、塗装時汚れるとまずいので、養生しておきましょう。コアの下側の押さえ部分の金具も錆を落とします。

そしてカバー部分に下地材を塗りますが、コア部分は直接塗装します。

一応、塗り終えたものが下記になります。白い下地材のままのカバーは、アンプのデザインに合わせてあらためて色を新たに塗りたいと思いますので、今日は塗りませんでした。

出来上がったのがこちらです。ネジが汚いままでした。新しいのを買えばよかった・・・

中々、きれいに仕上がりました。

ところでねじの話ですが、ねじを外すと、下記のように絶縁のためのテープとワッシャー(赤色のもの)が付いていますが、これは外してはいけません。

ネジを変える場合も同じように絶縁するようにしましょう。なぜ絶縁するかというと、トランスは磁束がコアを回っていますが、ねじが絶縁されていないと電気的に閉ループ回路ができてしまい、磁界の影響で閉ループに電流が流れます。その電流が、コアの磁束と逆方向の磁界を発生させて打ち消してしまうので、レギュレーションの悪いトランスになってしまうのです。以前、トランス屋さんにトランスを作ってもらった際に、そういう話を伺いました。絶縁ワッシャーもこんな平らなものではなく、T型のワッシャーでコアの穴にTの縦棒がガイドとして入るようなものがいいのですが、LUXのトランスは写真のように簡素なものでした。

ということで、まださびさびのトランスがいくつかあるので、おいおいきれいに仕上げていきたいと思います。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 真空管アンプからの部品取り | トップ | 現行システムの3ウェイ化(1) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

トランス」カテゴリの最新記事