Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

3C33シングルアンプの製作

2021-07-04 22:00:28 | 3C33単管シングルアンプ

ちょうど1年前になりますが、3C33という珍しい真空管(ふつうは簡単に球と言います)を使って、シングルアンプを作りました。3C33という球は、誠文堂新光社の「魅惑の真空管アンプ」下巻に故・浅野勇氏によりプッシュプルアンプとして紹介されていますが、元は、パルス制御回路に使用されたと記載があることから、レーダーのパルス制御用として使用されたのでしょうか。だとしたら、当時の軍艦のレーダパルス回路に使われた可能性があります。下記の右側の球の写真の右のヘリあたりに海軍のいかりマークがついているのがわかります(写真ではかなりわかりにくいです)。

3C33を少し紹介すると、まず、その形が他の球にはあまり見られないユニークな外形にあります。同じ外形の球としては、826や829などがありますが、GT型やST型ではなく、送信管独特の形をしています。また、内部は、3極管が2つ入った構造をしており、カソードが共通でグリッドやプレートが別々になった、傍熱型三極管です。各電極のプレートロスが15W、μは11ほどですが、要は2A3と同じぐらいの規模の球が2つ入っていることになります。浅野勇氏のアンプは単管でのプッシュプルですが、本製作では、2つ入っている3極管を1個ずつ使用し、シングルアンプで使用します。

球の写真を下記に載せます。

球のブランドはRCAとUnited Electronの2つあるようですが、どちらも造りは同一で、United ElectronはRCAのリブランド品と思われます。

実は、3C33でアンプを作るのは、2度目で1作目は、2003年に製作しました。当時は、3C33を3本アメリカの知人より仕入れて、珍しい球が入ったと、その内の2本を昔宝塚にあったValves’Worldという真空管アンプ工房のTossieさんにお譲りし、私は残りの1本でシングルアンプを作ったわけです。当時製作したアンプの写真がありますので、懐かしさもあり載せておこうと思います。このアンプは確かオークションで名古屋在住の方に渡った様に記憶しています。

(写真は2003年に製作したシングルアンプです)

さて、今回のアンプの回路は、この前製作した300Bのようにフィードバックに出力管のプレートから前段のプレートに戻す、PG帰還回路で、トランジスタを間に挟んで帰還率を下げ、かつ、前段のプレート電圧も可変にできるようにした回路としています。

下記に回路図を記載します。

すでに製作済みのアンプなので、回路図もバッチリです。

アンプの特徴として、FB回路の他、双3極管の宿命かもしれない、左右の回路のバイアスのバラツキを調整出来るよう、3C33のカソードの直流電圧を利用し、可変抵抗を介してグリッドにかけることで3C33のプレート電圧を調整できる回路としました。そのため、トランスの入力側に1オームの抵抗を設け、プレート電流をモニタ出来るようにしています。こうすることで、両方のプレート電流のバラツキが自己バイアスで調整できます。

あと電源は、FETによる平滑回路を採用していますが、FETのゲート側につながっている150kΩの抵抗に流れる電流を定電流回路で調整し、希望の電圧を出力できるようにしています。電源回路は最近この回路がお気に入りですが、前作の300Bはクラシックさを出すためにあえてチョークを用いた平滑回路を採用しました。

さて、実際のアンプですが、これはまた次回以降のブログに載せたいと思います。

ではまた~。

 

 

 


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