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78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎狂い出した世界に問いかけ続けても答えなんて出ない

2012-04-16 00:42:15 | 本当の日記はこちら
「鈴木さんにトイレ清掃を教えて下さい」



それは不意打ちだった。

入社わずか半月にして、早くもアルバイトに「教える」事をしなければならなくなった。


しかも、相手は女子高生バイトの鈴木杏(仮名)。


鈴木さんは当方より1週間も早く入ったはずなのに、トイレ清掃はまだ一度もした事が無いのだという。

当方は既に2回ほど経験している。

そもそも向こうは1日4時間の週3~4日勤務、こっちは1日9時間の週6勤務なのだから
総勤務時間だけで言えば当方は圧倒的なアドバンテージを得ているのだ。



人に仕事を教える――簡単なようでとても難しい。

ましてや対戦相手は女子高生。
9歳も年上の当方はただでさえキモヲタ顔なのに教え方まで下手なら……結果は見えている。
丁寧で分かりやすい説明をするしか生き残る道は無いのだ。



絶対に負けられない戦いがそこにある。



当方「必要なものはこれとこれとこれです。まずはこの雑巾でここを拭きます」


途中までは順調だった。たかがトイレ清掃である。難しい事をやっている訳ではないのだ。
落ち着いて説明すればちゃんと伝わる。そう信じた。



しかし、ほんのささやかなギャグが歯車を狂わせた。



当方「トイレクイックルはこの1枚だけで1回分を使い切れるって、
   “さっしーのCM”で言ってましたけど」

鈴木「ハイ」



スルーされた。
AKB48の指原莉乃が出演するトイレクイックルのCMの話だったのだが
「さっしー」じゃ伝わらなかったか?


無駄に寒くなったものの、何とか平静を取り戻し説明を終えた。
鈴木さんには女子トイレで実践してもらう事に。



しかし、

当方「すみません。さっき言い忘れましたが制服の上は脱いで下さい」

当方「すみません。言い忘れましたがこうやってタンクを垂直に上げてそこも拭いて下さい」

当方「本当にすみません。言い忘れましたがトイレットペーパーは三角に折って下さい」



言い忘れた事に気付き、何度も鈴木さんに説明しなおす始末。











前職で後輩に教えることを何度もやってきたはずなのに、
教える能力がここまで低下しているとは思わなかった。

精神論ならいくらでも説明できるのだが(マテ




あくまでも今は研修中であって、今の店舗に永久にいるわけではないのだ。
長くても1ヶ月ちょっとだろうか。

もしも高校生なんかに舐められたりしたら
しばらくは立ち直れないくらいの絶望と後悔を味わうだろう。
高校生に負けたくない。女子高生に嫌われたくない。
もはやそれだけを考えて仕事に臨んでいる。
しかし、もう時間は無い。早ければあと2週間で戦いは終焉を迎える。



高校生と仕事をするという初めての体験は、果たしてどんな結末を迎えるのか。