南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

この夏去り行くものたち

2011-07-23 20:54:28 | Weblog
いよいよ明日でアナログ放送が終了する。
生まれてからずっと見てきたテレビ放送が明日でなくなると思ったらなんだかよく分からないけど妙に寂しいものがある。
別に地デジがあるからいいんだろうが、子供の頃テレビの中の真空管を見て感動したことや、カラー放送が始まりまたまた感動したことなどが脳裏に浮かび今までお世話になってきたものとの別れの寂しさが隠せないのである。
今まで生活してきた故郷がダムの底に沈んでしまいその景色が遠い思い出になってしまうのにどこか似ている。
時同じくしてこの夏に惜しまれながらもその幕を閉じるものたちがいる。
まずは大関魁皇。
今場所前人未到の大記録を樹立し日本中を沸かせてくれたばかりだったのに、ついにこの時がきてしまった。
満身創痍でいつ引退してもおかしくない状態だった魁皇は気力で相撲を取っていたはずだ。
度重なる相撲界の不祥事が続きなんとか相撲界を立て直さないといけないと人一倍相撲を愛した魁皇は辞めるに辞められなかったのだ。
魁皇の引退はさすがに寂しいが同時にもう十分楽しませていただいたからゆっくり休んでくださいととねぎらいの気持ちさえも生まれる。
それは長年宇宙との往復を繰り返し多くの宇宙飛行士を運び続けてきたスペースシャトルにも同じ気持ちがある。
最初はスペースシャトルがあんなに使いまわしで働かせられていたなんて全く知らなかった。
もうあんだけボロボロになるまで使われたらもういいですからゆっくりお休みになってくださいと言いたくなる。
それから長年親しまれてきた水戸の黄門様も去り行く。
東野英治郎から始まり西村晃、佐野浅夫、石坂浩二、里見浩太朗と007シリーズじゃあるまいし歴代の俳優が演じてきた時代劇もついに幕を閉じた。
ワンパターでありながらも勧善懲悪を好む日本人の心をつかんできたのは確かだが、あのワンパターンが今の日本人には受けなくなってきたのかもしれない。
そして長年愛されてきた情報誌ぴあも廃刊になる。
これだけインターネットが普及し情報なんていつでもどこでででも素早く取れてしまう時代になってしまえば仕方のないことなのかもね。

アナログ放送が終了すれば世の中全てがデジタル化に向かう気がする一方で、時代がどんない変わって行こうとそのアナログさは永遠に不滅であると確信するものがある。
それは「笑点」。
これこそ長年続いている国民的長寿番組であるが、この番組はデジタル化の影響などにはびくともしない。
ナイスな答えをした時に一枚一枚配られる座布団を渡すという超アナログさはもうひとつの伝統になっている。
日曜の夕方はあのテーマソングを聞き、明日からの仕事に学校に備えるという習慣は日本人に完全に定着しているし、水戸黄門には涙もしない今の若者も笑点メンバーのお年寄りのギャグにも大いに楽しんでいるのが凄い。
笑点の座布団が消えデジタル化された点数表示になるときは誰も笑わなくなるに違いない。
この夏惜しまれつつも去り行くものたちには心から敬意を表したい。
間もなく去り行くであろうと言われながらなかなか去り行かない政治家もいるが、どうせ引退するのなら多くの人に惜しまれつつ去り行くというエンディングをどうか見せて欲しいものである。


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