毎年クリスマスになると楽しみにしているテレビ番組が小田和正の「クリスマスの約束」だ。
もう13年も続いている音楽番組だが今年はゲストに吉田拓郎が登場した。70年代のカリスマとしてフォーク界に君臨した吉田拓郎とオフコースの小田和正とはどう見ても接点が見当たらないし、二人に交流があることが想像できなかった。今回の出演は小田和正からのたってのオファーだった様だが吉田拓郎がよく受けたなとは思っていた。
この二人が並んでステージに立っていることとがどんなに画期的な事なのかは僕ら世代の人間なら理解できるはずだ。そういう意味では今回のクリスマスの約束は貴重なものだった。しかも吉田拓郎の名曲「洛陽」「今日までそして明日から」「人生を語らず」を一緒に歌い、バックで小田和正がハモるという特別な演奏は正にクリスマスプレゼントであった。若い時なら絶対あり得なかったジョイントであったはずだ。その証拠に拓郎はゲストでありながら当時のオフコースは目障りな存在と思っていたことを暴露したし、同じ時代に音楽をやってきたという意識もなかったという。拓郎が同じ時代を生きたアーチストは加藤和彦であったと断言したことは印象的だった。それでもこうして歳を重ねて一緒にステージに立てたことに対する喜びと感謝を拓郎の口から聞いた時は熱いものを感じてしまった。