南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

ラモナ

2011-09-13 23:47:27 | Weblog
僕の尊敬するミュージシャン細野晴臣氏の最新アルバム『HOSONOVA』に収録されている「ラモナ」という曲に最近はまっている。
最初聴いた時にビビッときた。
僕が今探していたのはこういう曲だったんだということに気がついた。
ノスタルジックで郷愁を感じ、それでいて熱い恋心を思い出させてくれるこんな歌を。
実はこの「ラモナ」という歌は1928年の映画の主題歌である。
そんな大昔の映画の歌が2011年の現代で歌われても何の違和感もなく新鮮に聴こえるし、自分が探していた曲と出会えた喜びがもの凄く大きい。
歌詞は細野氏が和訳した新しいもので歌われているがこの詞がまたいい。
その昔、往年の名歌手ディック・ミネが歌っていた「ラモナ」の歌詞は正にその時代ならではの日本語の歌詞が付けられているが、今に生きる僕らにとっては細野氏の今回の新しい歌詞の方がとても自然に聴こえる。
YouTubeにはライブバージョンもあるが、生で歌う細野晴臣氏のギターと低く囁くような歌声は日本のジョルジュ・ムスタキである。
細野さんもいきなりジョルジュ・ムスタキになったわけではなくロックンローラーから長い年輪を重ねて本来持つ心の奥の渋さが滲み出ているのである。
はっぴいえんど、テインパンアレイ、YMOと伝説のバンドを作り上げて来た偉大な日本の音楽家細野晴臣氏は時代時代で僕たちを音楽で魅了し続けてきた。
常に時代の最先端を行く細野晴臣氏を10代の頃の僕はニューミュージック界の黒幕と崇めていた。
細野さんと言えば実は凄い人の孫なのである。
あの豪華客船タイタニックには日本人がたった一人だけ乗っていて、しかも運よく奇跡的に助かったその男性が細野さんのおじいさんだったという事実がある。
もしその時細野さんの祖父がタイタニックと共に沈んでしまっていたなら、日本の音楽シーンは大きく変わっていたに違いない。はっぴいえんどもYMOも存在しなかったのであるから。
もちろんユーミンの荒井由実時代の数々のレコーディングの音は全く違っていたものになっていたであろう。
そんな細野晴臣氏も今年64歳。
64歳の彼だから歌える「ラモナ」は生まれるべくして生まれた名曲かもしれない。
還暦を過ぎた日本のおじさんたちにも単純に演歌とかではなくこんな歌を歌って欲しいものだ。

ラモナ

ラモナ なつかしい調べ
ラモナ 胸をうつその名
海の彼方 異国の街角
昼も夜も 面影を辿るよ

ラモナ ワルツのリズム
ラモナ 月に照らされて
その名を呼び続けるだけ
ラモナ 消えないで

ラモナ 鈴の音のように
ラモナ 胸に響く歌
時の壁は 谺(こだま)を返すだけ
消えかかる 面影を手繰るよ

ラモナ ワルツのリズム
ラモナ 月に照らされて
その名を呼び続けるだけ
ラモナ 消えないで