ヴィクトリア女王の従者がインド人だった、仲が良かったという史実をベースにした映画です。
この映画は、ヴィクトリア女王を2度めに演じつジュディ・ヴィンチ、インド人役のアリ・ファザールの演技が素晴らしいです。二人の会話がとにかく、ウィットに富んでいて、相手への敬愛と尊敬に満ち溢れています。
ストーリー自体は、歴史を変えたような、すごいエピソードを描いていません。ヴィクトリア女王の晩節、植民地であるインドの従者がいて、その人を重用していた、という事実だけです。
それでも、この映画がすばらしく良いのは、
・最高の権威にある女王と植民地出身の従者が
・大きな身分差があるにもかかわらず
・お互いを敬愛して、尊敬していること
を、映画を通じて見せてくれている点だと思います。
そして、人との関わり、人との交流の中にこそ、幸せはあるのだ、ということを思い出させてくれます。
ゆったりしたペースで、流れる二人の交流を描いた映画。最後まで会話を楽しみました。
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19世紀の英国を舞台に、ヴィクトリア女王とインドの若者との交流を描いた伝記ドラマ。監督は『クィーン』などのスティーヴン・フリアーズ、脚本は『リトル・ダンサー』などのリー・ホールが手掛けた。女優のジュディ・デンチが『Queen Victoria 至上の恋』に続き2度目のヴィクトリア女王を演じ、女王と身分を超えた友情を育むアブドゥルを『ワイルド・スピード SKY MISSION』などのアリ・ファザールが演じる。ヴィクトリアお気に入りの王室離宮だったオズボーン・ハウスで撮影が行われた。(シネマトゥデイ)