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◇企業システム◇大林組がEMCのストレージでリアルタイム情報共有システム構築

2008-09-04 16:05:47 | ユーザー

 【ユーザー】大林組はEMCジャパンのストレージ・ソリューションを導入し、建設業界では初めて、工事に関するデータをリアルタイムで工事事務所と協力会社間で共有、保全できるシステムを構築した。新システムは、データ・レプリケーション・ソフトウエア「EMC RepliStor」を導入することにより、工事に関するデータを自動でアップロードし、保存する機能も持つ。 (08年9月2日発表)

 【コメント】これまで大林組では、作成した工事記録などをユーザー自身がアップロードしていたが、新システムでは自動アップロード機能を持たせたことによって、処理速度の向上、情報共有の迅速化、さらにユーザーの負担軽減を実現させ、生産性の向上を実現させている。同時に東京ー大阪間のデータ・レプリケーションも構築し、災害時の事業継続・復旧のためのシステムとしての役割も担っている。

 ストレージシステムを構築することは、一般に地味なテーマと思われがちだが、企業システムの根幹を成す重大な問題だ。データ・レプリケーション(データの複製)がうまく機能すれば、今話題の事業継続も実現できる。全社データの共有化も、自動アップロード機能がうまく機能することによって、より威力を発揮することができる。最近ではストレージの仮想化という課題も浮上してきた。

 これからの企業に欠かせない内部統制もストレージシステムの出来いかんにかかってくる。また最近、企業システムの重要課題の一つにBI(ビジネス・インテリジェンス)があるが、これもストレージに蓄積されたデータが基本となる。このように考えると、今後企業システムは、ストレージシステムの充実を最優先課題にすべきであろう。(ESN)