企業システム・レビュー・ネット

企業経営を左右する企業情報システム(経営+ITソリューション)のデータバンク作りを目指す

◇企業システム◇イベント/セミナー情報

2009-10-30 09:18:15 | イベント/セミナー情報

 

               <イベント/セミナー情報>


タイトル:緊急提言 狙われている・・・データベースは守れないのか。 <申し込み>
        ~ 連続する個人情報流出事件に問う! ~

会場: 伊藤忠テクノソリューションズ 霞が関本社  20階セミナールーム(東京都千
                       代田区霞が関3-2-5霞が関ビル)

日時:09年11月18日(水) 午後2時30分ー5時30分

定員:100人

料金:無料

主催:エアー(共催:Guardium, Inc.、伊藤忠テクノソリューションズ)

内容:近年多発する個人情報漏洩事件。データベースは社内にあるから安全だ と
    言うのは間違いで、事件のほとんどは内部の人物が関与しているという。同
    セミナーでは、データベースセキュリティにおける対策方法と、よくある誤解に
    ついて解説する。


◇企業システム◇イベント/セミナー情報

2009-10-29 09:19:16 | イベント/セミナー情報

 

               <イベント/セミナー情報>


タイトル:野村総研からの提言 PC運用セミナー 2009 Autumn<申し込み>
        ~最新300社アンケート調査から見るPC運用の「今」と「行方」~

会場:野村総合研究所 木場総合センター タワーN棟1階大会議室(東京都江東区
    木場1-5-15 )

日時:09年11月6日(金) 午後2時-5時5分

定員:100人

料金:無料

主催:野村総合研究所(NRI)

内容:時にIT予算の4分の1を占める重要な領域であるPC運用に関しての情報が、
    ほとんどユーザ企業間で連携されて無いのが現実。「自分たちのやり方はス
    タンダードなのか」「サービスレベルに対するコストは適正なのか」・・・疑問を
    持ち続けているが、情報を得る手段が無いユーザ企業を多い。こういった疑
    問に答えるべく、NRIは09年9月に300社へPC運用に関するアンケート調査を
    行った。その結果には各社のトレンド、強み弱み、平均、そしてこれからの
    重点取り組みテーマなどがはっきりと表れていた。たかがPC。されどPC。PC
    運用の「今」と「行方」を紹介する。


◇企業システム◇日本オラクル、日立製作所、日立システムがSMB市場向け仮想化ソリューションで提携

2009-10-28 09:19:22 | 仮想化

 【仮想化】日本オラクル、日立製作所、日立システムアンドサービスの3社は、このたび、中堅・中小企業市場(Small and Medium Business市場/SMB市場)向けに、日本オラクルのサーバー仮想化ソフトウェアと日立のローエンドディスクアレイなどを活用したサーバーの仮想化ソリューションの提供に向けて協業していくことで合意した。今回の合意により、日本オラクルは、サーバー仮想化ソフトウェアの「Oracle VM」や「Oracle Database」を、また日立は、ローエンドディスクアレイ「Hitachi Simple Modular Storage 100(日立SMS100)」を日立システムに提供する。日本オラクルと日立との共同での互換性、ならびに相互接続検証のもと、日立システムは、ソリューションを強化していく。(日本オラクル、日立製作所、日立システムアンドサービス:09年10月21日発表)

 【コメント】 企業ユーザーは、仮想化技術を導入することにより、サーバー台数の削減やシンクライアントシステムを導入することによって、コストの削減をはじめ、情報漏えいを防ぐことが可能になるなど、メリットを受けることが可能となる。最近では、大手企業ユーザーを中心に、仮想化技術を導入してプライベートクラウドを構築し、いち早く最新の企業システムの導入に成功しているケースも出始めている。

 しかし、中堅・中小企業ユーザーは、技術者不足や情報化投資の原資を得ることが困難なケースが多く、大手企業ユーザーのように仮想化やクラウド導入は、そう活発化してないのが現状である。しかし、クラウドのようなシステムは、むしろ中堅・中小企業の方が受ける恩恵は多いはずである。基本的には、クラウドは究極のアウトソーシングであり、IT要員不足、情報化投資不足の中堅・中小企業こそが恩恵をうけるべきなのである。

 今回、日本オラクル、日立製作所、日立システムアンドサービスの三社は、このような現状を踏まえ、中堅・中小企業をターゲットに仮想化ソリューションの提供に踏み切ったわけだが、中核をなすのが、オラクルの仮想化ソフト「Oracle VM」である。「Oracle VM」は、オープンソースの仮想化ソフトであるXenをハイパーバイザに採用したサーバー仮想化ソフトウェアで、エンタープライズ向けにオラクル独自の機能拡張を行い、高いパフォーマンスが最大の特長。

 このオラクルのサーバー仮想化ソフト「Oracle VM」を導入することで、中堅・中小企業ユーザーはどのようなメリットが得られるのであろうか。仮想化の導入により、サーバー導入やリプレイスに伴う、環境構築、システム開発・改訂や運用管理に必要なIT投資の最適化も実現できる。また、「Oracle VM」が提供するテンプレート機能は、構築したシステム環境をテンプレートとして保存しておき、新たに環境を構築したい場合、保存されたテンプレートを配布するだけという、極めて簡単な操作で対応でき、環境構築に伴う導入コストを大幅に削減するという。

 さらに、グリッド技術の「Oracle Real Application Clusters」構成と組み合わせることで、サーバー仮想化による集約環境でのリソースの柔軟かつ有効活用だけではなく、システムの拡張性やハードウェア障害などによるシステム停止のリスクを低減する。このほか、「Automatic Storage Management(ASM)」の採用により、ディスクI/Oのボトルネックを解消し、効率的なデータベース用途のストレージ管理を実現することができる。今後、各ベンダーは、自社の得意分を持ち寄り、共同してユーザーの課題解決へと向かうことが考えられるが、今回の3社の提携は、この典型的な事例である。これにより大手企業と中堅・中小企業間にある情報格差解消を目指し、是非とも成功してもらいものだ。(ESN)


◇企業システム◇イベント/セミナー情報

2009-10-27 10:59:33 | イベント/セミナー情報

 

               <イベント/セミナー情報>


タイトル:CTCクラウドDAY<申し込み>
       ~デザインするのは未踏の企業ITインフラ~

会場: ANAインターコンチネンタルホテル東京

日時:09年11月4日(水) 午前10時ー午後4時45分

料金:無料

主催:伊藤忠テクノソリューションズ( 協賛:EMCジャパン/シスコシステムズ/セー
    ルスフォース・ドットコム/ネットアップ/ヴイエムウェア/マイクロソフト/楽
    天)

内容:クラウド市場を牽引するリーダー企業を招いての特別セッションをはじめ、伊
    藤忠テクノソリューションズ(CTC)におけるクラウドへの取り組みを集大成とし
    て、ユーザーに提案する。


◇企業システム◇ヤマト運輸のアウトソーシング先は日本IBMの中国・大連センター

2009-10-26 09:25:14 | ユーザー

 【ユーザー】ヤマト運輸は、サービス品質と業務効率の向上を目的に、バックオフィス業務の一部を日本IBMに委託し、10月16日に開所式を行い、本運用を開始した。日本IBMでは、中国・大連にあるIBMグローバル・デリバリー・センター(大連センター)を活用し、業務を遂行する。また、処理・検証・承認など一連のプロセスを標準化するワークフロー・システムを構築する。大連センターは、当初100名規模の体制で業務を遂行し、対象範囲の拡大や処理量の増大に伴って陣容を拡大する予定となっている。(日本IBM:09年10月19日発表)

 【コメント】アウトソーシングは、既に日本の市場に定着し、違和感なく捉えられている。これが一昔前はどうだったかというと、そうすんなりと受け入れられていたわけではない。特に金融機関が基幹システムをアウトソーシングをしようものなら、「潰れるのでは」といった憶測まで呼ぶほどであった。当時は、基幹システムは、企業のシンボル的存在で、自社内に置いて置くこと自体が、企業の信頼性を勝ち取る手段であったわけである。

 しかし、その後、都心の一等地の高いフロアーにコンピューターを置くことが得策でない、ということを各企業が気づき始め、アウトソーシングに対する理解度が急速に盛り上がっていった。さらに、追い討ちをかけたのは、アウトソーシングベンダー側が、「企業ユーザーは本業に専念してください。コンピューターシステムは我々にまかしてください」という殺し文句であった。この言葉に動かされない経営トップはいないだろう。このことは、現在ブーム状態になっている“クラウド・コンピューティング”に脈々と受け継がれている。それはクラウドは、究極のアウトソーシングであるからだ。現に、今クラウドに関心が高いのは経営トップや役員層で、現場の情報システム部門は腰が重いと聞く。

 さて、今回ヤマト運輸は、バックオフィス業務の効率化を図ることでサービス品質をさらに向上させるため、全国に69カ所ある事務管理センターで実施している「出納管理」「未収管理」など一部の業務を、日本IBMへ外部委託することに決定した。ここまでは、通常のアウトソーシングであり、特に変わったケースではないが、注目されるのは日本IBMが、中国・大連にあるIBMグローバル・デリバリー・センター(大連センタ
ー)を活用し、業務を遂行するというところだ。

 米IBMは、既に従来のハード重点主義からソフト・サービス重点主義に、大きく舵を切り替えており、しかも「世界中から仕事を集めてこられる能力、顧客にとって価値のある問題解決策を提案できる技術と能力を持っている」ことを強調し、事業に取り組んでいる。その成果は、着実に出始めており、現に09年7-9月期の純利益は、前年同期比14%増の32億ドルとなったことでも示されている。アウトソーシングサービスも、もう国内だけを対象に考えたのでは限界かもしれない。このことにいち早く取り組んだIBMは、以前から「GIE(グローバリー・インテグレーテッド・エンタープライズ)」戦略に取り組んでいる。これは、世界のなかで最適な国において、その事業を展開することを意味する。

 日本企業のコンピューターシステムの海外へのアウトソーシング先は、同じ漢字圏の中国が最適国でありことは論を待つまい。今回のヤマト運輸のアウトソーシング先が中国であったことは、このことを実証している。現在、日本市場にアウトソーシングがようやく定着したわけだが、次のテーマは、アウトソーシング先を、日本国内でなく世界に広げることであろう。(ESN)


◇企業システム◇イベント/セミナー情報

2009-10-23 09:28:58 | イベント/セミナー情報

 

               <イベント/セミナー情報>


タイトル:クラウド/NGN時代における新世代ソリューションのインパクト<申し込み

会場:中野坂上セントラルビル17F(東京都中野区本町2-46-2 中野坂上セントラルビル17階 )

日時:09年12月9日(水) 午後1時ー5時

定員:80人

料金:2万1000円(1人)

主催:矢野経済研究所

内容:インターネットにより、コンピュータネットワーキングの世界に新たな創造的価
    値が生まれて十数年。もはや日常生活に切り離せないものとなった。さらに通
    信の世界においても固定・無線の区別なく音声・映像・テキストデータのやり取
    りを容量の制限や課金についてあまり意識せずできるようになったのもIPネッ
    トワークのおかげである。さらにこれらの利点を伸ばすべく、NGN(Next
    Generation Network)の開発、整備、クラウドコンピューティングによる究極の
    コンピュータユーティリティサービスが始まっている。今回のセミナーでは、時
    代の変革期において大いなる経済発展が期待できる新世代ソリューションに
    ついて日常的な調査、分析の結果をふまえ、未来への展望を見出し、業界各
    位の方々の今後の事業プランニングの参考に開催。 


◇企業システム◇イベント/セミナー情報

2009-10-22 09:22:08 | イベント/セミナー情報

 

              <イベント/セミナー情報>


タイトル:事業環境変化に打ち克つ企業体質強化<申し込み>
        ~ 今、企業は何をなすべきか ~

会場: 経団連会館 2階 国際会議場(東京都千代田区大手町1-3-2 )

日時:09年11月24日(火) 午後1時15分ー5時

料金:無料

主催:富士通総研

内容:金融危機を端緒とする世界同時不況から最悪期は脱し、景気上向きの兆しが
    出てきたとはいうものの、未だ先行き不透明感が拭えない。予測できない新
    たな脅威や経営環境変化へ柔軟に対応する企業対応力が、従来以上に求
    められている。今回は「企業体質強化」に着目して、外的脅威への対応力と
    内なる革新力に焦点を当て、事例紹介を交えながら、企業が今何をなすべき
    か、を提案する。


◇企業システム◇日本HPが業界初のクラウド専用クライアント端末発表

2009-10-21 09:11:05 | クラウド・コンピューティング

 【クラウド】日本HPは、アプリケーションをインターネット上のサービスとして利用できるクラウド・コンピューティングに最適化した専用クライアント端末「HP t5730wi Internet Appliance」を発表した。今回発売する新製品「HP t5730wi Internet Appliance」は、国内外を問わず多くの高い導入実績持つHPシンクライアントのノウハウを活用した、業界初のクラウド・コンピューティング専用端末。Sun Java6.14やAdobe Flash10などのWeb化されたアプリケーションを利用するのに必要なソフトウェアをプリインストールしているほか、ハードディスクドライブ(HDD)や光学ドライブ、冷却ファンなどの駆動部品を搭載していないため、静音性が高く壊れにくい環境を提供する。また、ユーザーごとに必要なモジュールを組み込んだ、ユーザー専用のマスタイメージをプリインストールし出荷するサービスをあわせて提供することで、ユーザーの初期設定作業の工数を低減できる。(日本HP:09年10月5日発表)

 【コメント】 “クラウドコンピューティング専用端末”と称した製品がいよいよ市場にお目見えした。その名誉ある第一号製品となったのが、今回の日本HP製のクラウド・コンピューティング専用クライアント端末「HP Internet Appliance」である。しかし、クラウドと付くと何か目新しく感じるが、よく見るとそう大げさなクライアント端末ではない。というのも、Webアプリケーションをすぐに利用できるソフトウェアをプリインストールしてある点と、同社がかねてから注力してきたシンクライアント端末機能をドッキングさせたところがポイントなっているからだ。

 日本HPでは、端末にデータを保持しないセキュアなソリューションとして、データセンター内の1台のブレードPCを1台の端末に割り当てて最大限のパフォーマンスを実現する「HP CCI (HP Consolidated Client Infrastructure)」、プロセッサーのマルチコア化によって性能向上が進んだブレードサーバーのリソースをCitrixやVMwareなどの仮想化ソフトウェアによって各端末で共有するクライアント仮想化ソリューションなどを、ソリューション「HP RCS(Remote Client Solution)」として提供しており、今回のクライアント端末「HP Internet Appliance」は、これらと組み合わせて活用することで威力を発揮する。クラウド環境は、仮想化、シンクライアント、ブレードサーバーなどの技術・製品の統合化によって初めて実現できるものであり、その意味では、クラウド時代では、真に総合力のあるベンダーだけが最後に生き残れる、過酷なサバイバルレースとなってくる。

 その意味から、クラウドサービスは、グーグルやIBMを例外として、1ベンダーだけではとても生き残れそうにもない。日本HPは、今回のクラウド・コンピューティング専用クライアント端末「HP Internet Appliance」の事業のスタートに際しては、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とパートナー戦略をとった。CTCは、ホスティング型オフィスツール「Google Apps Premier Edition」と今回の日本HPのクラウド・コンピューティング専用クライアント端末「HP Internet Appliance」を組み合わせ、企業のクラウド・コンピューティング実現に向けたトータルなインテグレーションサービスの提供を、日本HPの発表とあわせ09年10月5日に発表したのである。CTCでは、09年7月にGoogleと販売代理店契約を締結し、Googleが提供するホスティング型オフィスツール「Google Apps Premier Edition」の販売、サポートを開始しており、今回日本HPのクラウド専用端末「HP Internet Appliance」をラインナップに加えたもの。

 グーグルが世界的に提供するクラウドサービス「Google Apps」が、いよいよ日本での本格展開がスタートしようとしている。一部ではこれらの新しい動きに懐疑的な見方があり、現に最近米国で大量の顧客データの消滅事件が発生したばかりだ。しかし、このような“事故”を乗り越えてでもIT全体がクラウド化することは違いはない。日本で最初の本格的SaaSユーザーとなった郵便局会社もさらに拡大の意向を示しており、キリン、東急ハンズ、ローソン、ユニクロなど大手企業がこぞってクラウドサービスを導入し始めていることが、このことを証明している。(ESN)


◇企業システム◇イベント/セミナー情報

2009-10-20 09:17:33 | イベント/セミナー情報

 

               <イベント/セミナー情報>


タイトル:「仮想化オール・イン・ワン サービス(VAiOS)」セミナー<申し込み>  
          ~日本初の仮想化運用代行センター(VOCTM)と国内最高クラスの
           データセンターを融合  VAiOSで、TCOを40%以上、IT資産を50%
           以下に削減~

会場:ベルサール八重洲 Room C  八重洲ファースト フィナンシャルビル2F(東京
    都中央区八重洲1-3-7)

日時:09年10月26日(月) 午後2時ー5時

定員:120人

料金:無料

主催:アイネット(協力: ヴイエムウェア、ヴイエムネット )

内容:アイネットとヴイエムネットは、 日本初の「仮想化運用代行センター :
    Virtualization Operation Center (商標登録申請中、VOCTM)」を、アイネット
    のデータセンターにVOCを核に仮想化システムの設計・構築、運用・監視、そ
    してプライベート・クラウドサービスを全てワンストップで提供する「仮想化オー
    ル・イン・ワン サービス:Virtualization All in One Services(VAiOS)」を提供開
    始する。VAiOSは、アイネットのデータセンターを利用することにより、従来自
    前のセンターや他のデータセンター利用に比べ、仮想化システムのより高い
    効率化を実現でき、VCP(VMware認定技術者)による高度な運用サービスが
    受けられることも合わせ、高品質なサービスながら、TCOで従来比率40%以上
    削減することが可能となる。


◇企業システム◇マイクロソフトとレッドハット、仮想化ソフトで提携

2009-10-19 09:25:24 | 仮想化

 【仮想化】米レッドハットは、Microsoft Windows ServerとRed Hat Enterprise Linuxを組み合わせた仮想化環境が、フルサポートで利用可能になったと発表した。IT環境における相互運用性に関するユーザーからの要望に応えて、レッドハットとマイクロソフトは、サーバ仮想化を利用する両社のユーザーに共通のテストと検証を完了もの。認定が完了したソリューションは、以下のとおり。 ①Red Hat Enterprise Linux 5.4ハイパーバイザにおけるWindows Server 2003、2008、およびWindows Server 2008 R2ゲストの認定 ②Windows Server 2008 Hyper-V、Microsoft Hyper-V Server 2008、Windows Server 2008 R2 Hyper-V、およびMicrosoft Hyper-V Server 2008 R2ホストにおけるRed Hat Enterprise Linux 5.2、5.3、および5.4ゲストでの認定 。(米レッドハット:09年10月7日<現地時間>発表)

 【コメント】レッドハットとマイクロソフトは、犬猿の仲と思っていたら、今回仮想化環境で協調サポートの発表を突如行った。マイクロソフトとしては、自社の地盤を侵食し始めたレッドハットは、“敵”であり、絶対に認めることのできない存在だったはずである。かつてマイクロソフトは、レッドハットのLinux攻勢に対し、「初期導入コストが低いからといって、トータルコストではWindowsの方がずっと安く済む」と反論、さらOSS(オープンソースソフトウエア)は、ソフトウエアの著作権侵害の疑いがあると主張するなど、両社の関係は、一発触発の危機にさらされていた。

 その後、マイクロソフトがヨーロッパで独占禁止法違反の採決があるなどして、それまで順風満帆の勢いを堅持してきた“マイクロソフト神話”にも陰りが見え始めてきた。一方では、マイクロソフトは、ドル箱の「マイクロソフト・オフィス」の国際標準化を何とか実現させようと尽力し、08年4月にマイクロソフトが推す電子文書フォーマット「オープンオフィスXML(OOXML)」が、ISOとIECから国際標準のお墨付きをえることに成功。この頃からマイクロソフトの政策に微妙な変化が見え始めた。つまり、国際標準を標榜するからには、オープン化に対しても柔軟な姿勢を打ち出さざるを得なくなってきたのである。

 そして、マイクロソフトはレッドハットの仇敵であるノベルとの間に電撃的な提携を発表し、逆にLinux市場へ参入を開始した。ユーザーとしては、WindowsとLinuxとの間の親和性が低ければ、どちらかを選択しなければならなくなる。これはマイクロソフトにとっては、結果的に自社のユーザーの一部をLinux陣営に奪われることを意味する。それを防ぐ意味でもノベルとの提携は、重要な意味があったのである。さらに、既にLinuxに奪われた市場を奪還できるチャンスが生まれるかもしれない。このほか、マイクロソフトは、関係の深いシトリックス・システムズがOSSの仮想化ソフト「Xen」を買収したことによって、間接的に仮想化市場に参入し、さらにに自社開発の仮想化ソフト「Hyper-V」を持つことによって、Linux市場には「Xen」を、Windows市場には「Hyper-V」を提供できる仮想化環境体制を完成させた。

 そして、現在に至るわけであるが、仮想化環境の先に大きく広がるのがクラウドコンピューティングの世界であることは論を待たない。マイクロソフトは、先行するグーグル、アマゾンを追って11月から独自のクラウドサービス「ウインドウズ・アジュール」をスタートさせる。今度はマイクロソフトがグーグル、アマゾンを追撃しなければならない立場に逆転したのである。そこに今回のレッドハットとの「仮想化環境の協調サポート体制」発表があったわけである。つまり、マイクロソフトとしては、グーグル、アマゾンに追いつくには、強力なパートナーを必要としたが、まさかIBMとは組めない。その結果、レッドハットとの提携が浮上したのではないか。レッドハットとしても、このままマイクロソフト・ノベル連合を見過ごすわけにはいかない事情もあろう。

 とにかく、今回のマイクロソフトとレッドハットの提携の背景には、今後のIT業界を左右するクラウドコンピューティング市場の覇権争いが存在することだけは確かなようだ。(ESN)