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◇企業システム◇CTCが「ディザスタリカバリ総合ソリューション」提供開始

2008-05-28 08:58:15 | 事業継続

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、災害対策策定支援サービスや災害発生時の事業継続を実現するディザスターリカバリー(DR)サイトの構築・運用サービスを統合した「ディザスタリカバリ総合ソリューション」の提供を開始した。同ソリューションはサン・マイクロシステムとシスコシステムズが提供する「セキュアDRソリューション」を中心に、災害対策の策定段階から、システムコンサルテーション、最新セキュアDRのシステム構築、さらにCTCのデーターセンターを利用した運用サービスまでをワンストップで提供するCTC独自の総合サービス。(08年5月22日発表)

 【コメント】中国の四川大地震のように、一度大地震に見舞われると社会インフラが破壊され、あらゆる社会活動が停止に追い込まれる。地震国・日本としては災害対策は忘れてはならない必須の対策だ。このため日本政府は「事業継続」を重要施策として打ち出しているが、この中核をなすのが情報システムである。もし情報システムが破壊されたら、社会生活に大きな混乱を及ぼす。最近でも航空会社や大手金融機関のシステムがダウンし社会問題化している。さらに、今後考えられるのは停電だ。それも、短時間でなく、何日も続く大停電が発生したらどうなるか。

 このようなことから、各企業とも事業継続に対する関心は高まっている。例えば、松下電器は全世界の自社システムをすべて二重化する方針を打ち出した。しかし、大手企業は災害対策費用は捻出できても、中堅以下の企業ではそう簡単に出せるものではない。しかも自社に災害対策の専門家はいない。今回CTCが発表した「ディザスタリカバリ総合ソリューション」はこのような企業を対象に、データセンターサービスや広域回線のアレンジメントも窓口一本で対応可能なワンストップサービスソリューションがポイントとなるもの。

 今回のソリューションの中核をなすのが、サンとシスコの「セキュアDRソリューション」。これはサンの非同期型レプリケーションソフト「Universal Replicator」とシスコのマルチサービスモジュラーサービスモジュラースイッチ「CiscoMDS 9222i」を組み合わせたもので、ストレージとスイッチからなっている。

 三洋電機の業績不振は、新潟地震による半導体工場の破壊がきっかけであったという。このように災害が企業の将来を左右することが往々にして起きる。各企業とも天災を人災にしないためにも、事業継続、そのための情報システムの災害対策に万全を期すべきであろう。(ESN)