【ニュース】日立公共システムエンジニアリング(日立GP)は「レガシーシステム再生ソリューション」を強化し、①異種言語移行支援サービス」(アセンブラ、NATURAL、Q言語などのメインフレーム用のプログラミング言語で書かれたプログラムを、COBOL2002などのWindows OS上のプログラミング言語に変換)②C/S系言語バージョンアップ支援サービス(Windows OSのバージョンアップに伴い発生するプログラム言語のバージョンアップ)―の2つのサービスを追加し提供を開始した。これにより、様々なプログラム言語を用いて作成されたシステムに対しても、機械変換による正確かつ迅速なシステム移行を実現し、例えば、NATURALからCOBOL2002のマイグレーションにおいて96%の機械変換率により、高い移行品質を可能にしている。また、画面・DBなどを含めた3層アーキテクチャーのプログラムソースに変換し、再利用性・保守性の高いマイグレーションを可能にしている。なお、同社のレガシーシステム移行サービスは、既に12件のプロジェクトで実績を持つ。(08年6月23日発表)
【コメント】メインフレームあるいはオフコン上で構築したアプリケーションプログラムをいかに、迅速・正確にオープンシステムへ移行するかという問題は“古くて新しい問題”の一つである。メインフレームやオフコンは最近話題に上ることが少なくなったが、まだまだ日本の市場では多く残っている。メインフレームが世界で一番多く残っているのは日本だといわれているほどだ。また、オフコンは日本固有のコンピューターで、中堅以下のユーザーではまだまだ多く使われている。つまり、レガシーシステムのオープンシステムへの移行の問題は、古くから問題となっているたが、現在でも問題であることにはなんら変わりはない。ただ、最近はWeb系の話題がマスコミ上で騒がれて、その陰に隠れて影が薄くなっているだけで、問題が解決したわけではないのである。
日立GPは「レガシーシステム再生ソリューション」としてこつこつと取り組み、今回の発表した異種言語の機械変換について96%という高い変換効率実現させたことの意義は大きい。同社が手掛けた同ソリューションのユーザーでの実績は12件あるが、明らかにしているユーザー名は東急コミュニティーと専修大学だ。東急コミュニティーではCOBOL約6.5Mステップのシステムの移行を東洋エンジニアリングと手掛けたが、活用資産を約1.2Mステップ規模まで絞込み、システムのオープン化を移行を1年半という短期間で実現したという。専修大学については7月17日、東京国際フォーラムにおいて事例発表が行われることになっている。
同社のレガシーシステム移行ソリューションのもう一つのポイントは3層アーキテクチャーを採用していることだ。単に言語を変換するだけだけではなく、①プレゼンテーション層(画面表示プログラム)②ファンクション層(業務プログラム)③データ層(DB I/Oプログラム)と3つの階層に分け再構築するため、今後のシステム変更の際にも柔軟な対応を可能とすることができる。ユーザーはレガシーシステムの移行に当たって、同社のようにシステムをトータルにわたってサポートするSI企業を選択することが成功のカギを握っていることを認識した方がいい。(ESN)